知っておきたいカフェインの新常識5つのポイント!

2017年11月25日睡眠, 運動, 食事カフェイン, ドーピング, 健康, 運動睡眠, 運動, 食事, 運動

仕事中、昨晩の寝不足のせいで睡魔が。そんな時、目を覚ますためについ頼ってしまうもの、それがカフェインです。コーヒーや紅茶、栄養ドリンクなどが一般的ですが、中にはカフェイン配合のガムや錠剤を!なんて方もいると聞きます。

ですが皆さん、カフェインについて本当に正しく知っていますか? 近年ではカフェインの過剰摂取による中毒症状を原因とした死亡例まで出ており、覚醒作用や中毒性を認識している方も多くいるでしょう。しかしその他の副作用や効能となればいかがですか?

今回は、そんなカフェインの新常識について、軽く触れてみたいと思います。

そもそもカフェインとは?

まずはWikipediaの情報から。

カフェインは、アルカロイドの1種であり、プリン環を持ったキサンチンの誘導体として知られている。興奮作用を持ち精神刺激薬のひとつである。カフェインは、アデノシン受容体に拮抗することによって覚醒作用、解熱鎮痛作用、強心作用、利尿作用を示す。コーヒーから分離されカフェインと命名された。飲食品では主に、コーヒー飲料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、ココア、コーラや栄養ドリンクなどの飲料、チョコレートなどにカフェインが含まれる。一方で、妊娠期や過敏体質によりノンカフェインコーヒー、麦茶などカフェインを含有しない飲料の需要もある。医薬品では総合感冒薬や鎮痛薬に用いられる。副作用として不眠、めまいなどが含まれる。減量あるいは中止による離脱症状として、頭痛、集中欠如、疲労感、気分の落ち込みなど吐き気や筋肉痛が、ピークがおよそ2日後として生じることがある。頭痛は1日平均235mgの摂取で、2日目には52%が経験する。
(Wikipediaより抜粋)

おおよそ、一般の方々が気にするのは覚醒作用の部分が主で、医療用や解熱作用といった部分に注目することはないと思います。そのためWikipediaにも書かれている喫煙とカフェインの併用が痛風と直結するというのも、ほとんどの方が知らないのが実情でしょう。

最近では一般的になりつつありますが、カフェインの安全量や許容量もおおよそ決まっていて、欧州食品安全機構などが出している値を参考にすると、

・1度に3mg/kg
・1日に5.7mg/kg(成人以下は3mg/kg)
・妊婦は200mgまでに収める

などとなっています。皆さんのお手元にある飲料水のカフェイン量や身近な薬のカフェイン含有量を書くのもいいのですが、今回は割愛させていただきます。気になる方はこのあたりを参考にしてみてください。

今回は、まだあまり知られていないカフェインの新常識をピックアップ。項目は5つです。

1.カフェインは持久力を高める
2.遺伝子型により運動能力を高める
3.妊娠中にカフェインを多く摂取すると子供が太る
4.カフェインは傷の治りを遅くする
5.青年期のカフェイン摂取は成人期の精神疾患に繋がる

では一つずつ説明してみましょう。

1.カフェインは持久力を高める

かねてから言われている話はありますが、カフェインは人間の運動能力に影響を与えるとされ、現在でも議論されている稀有な存在の物質です。

カフェインをドーピングの対象にすることで世界的な飲み物でもあるコーヒーや紅茶メーカー等の大手企業を敵に回すことになるためか、未だカフェインはドーピングの規約上、【禁止】とならず【監視プログラム】に分類されるにとどまっています。
しかしながら、近年にも数多くカフェインに関する報告はされていて、そのほとんどが運動機能や心肺機能の向上を認めるものばかり。そして、誰とは言いませんが実際に選手が競技前に摂取し、結果を出している例も……

いくつか紹介紹介してみましょう。2017年にアイルランドで発表された研究結果によると、運動中、ガムによりカフェインを摂取した場合、スプリントシャトルラン(40mのスプリント走)の結果が上がったそうです。常用的な摂取や取りすぎは意味がないようですが、適量のカフェインは選手のスタミナやパフォーマンスを向上させるのは間違いないのかもしれません(※1)

また2017年の10月、イギリスはケント大学の研究チームは、カフェインは神経筋疲労を抑え、持久力を30%(±16)も増加させるという驚きの結果を発表しています(※2)

紹介すればキリがないのですが、オクラホマ大学でもサイクリングの持久力向上を発表していたり(※3)筋力の持続性に関する発表は多岐にわたっていて、否定するのが困難なほどです。

試合や競技を控えたアスリートが、こぞってカフェインを摂取する風景を見る日も近いかもしれませんね。もしかすると、東京オリンピックまでにはドーピング違反で使用禁止になっているかも!?

2.遺伝子型により運動能力を高める

一説に、カフェインの有効性は遺伝子型でも異なると言われており、それに関連した研究も多く発表されています。スカンジナビアン・ジャーナル・オブ・メディスン・アンド・サイエンス・イン・スポーツにて発表された結果によると(※4)カフェイン代謝に関連する遺伝子型の種類により、カフェイン摂取によるパフォーマンスの最大化がはかれるのだとか。
これは肝酵素の種類によるもので、性別や習慣、遺伝子などにより効果が変わるようで、それぞれが個別に調べる必要があるみたいなのですが、藁にもすがりたいアスリートにとっては大きな意味を持つのでは?

似たような研究結果として、2017年の4月にアメリカのコルビー大学やミドルブリー大学が遺伝子型によりカフェインの生理学的効果を調整できると発表しています(※5)。複数の団体により実証される研究結果は、やはり信用度が増しますし、何より現状はドーピング違反となりません。有用な運動能力向上に効果がある、と知っているだけでも意味があるのではないでしょうか。

最後に断っておきますが、私はドーピングが嫌いです。あくまでも一例として参考程度に……

3.妊娠中にカフェインを多く摂取すると子供が太る

そもそも妊娠中のカフェイン摂取はお子さんの成長や健康に影響を与えると言うのに、2016年ノルウェーの公衆衛生研究所が衝撃的な発表(※6)をしました。

「妊娠中にカフェインを多く摂取すると、小児期に子供が太る」

危険を与える上に、子供に肥満もプレゼントするとは。健康リスクとして大問題だと言えます。カフェインの摂取量が上限に近い母親から生まれた子供は、平均的に摂取した子供と比較し23%も肥満リスクが増すのだとか。世間では乳幼児期の摂取ばかりが言われますが、母親の摂取が原因で肥満になってしまうのは子供が不憫ですね。

なお、妊娠中のカフェインも重要ですが、睡眠も重要なのを知っていますか? 合わせてこちらもどうぞ

 

4.カフェインは傷の治りを遅くする

こちらは怪我(外傷)を早く治したい人に覚えておいてほしい知識です。
どうやらカフェインは人間の皮脂の形成に影響を及ぼし怪我の治りを遅くするそうです。ケラチノサイトと呼ばれる皮脂細胞の増殖をカフェインが依存的に制限してしまうようで、アスリートなどは注意が必要です(※7)

競技の直前に飲む際には運動能力の向上や筋肉の持続性に繋がるようですが、傷を治す機能の邪魔をすると。やはり物質には一長一短の性質があるんですね♪

 

5.青年期のカフェイン摂取は成人期の精神疾患に繋がる

最後はこちら。
若い時代にカフェインを多く摂取するほど、歳を取ってから精神疾患を発症するリスクが高まるそうです。2016年にコロラドボルダー大学が発表した内容によると、青年期に摂取したカフェインの影響で、血中コルチコステロン値の上昇、副腎感受性低下、ストレス耐性に関わる神経不全に影響が現れるのだとか(※8)

コーヒーや紅茶が好きだからといって、お子さんに好き勝手食べたり飲んだりさせるのは、将来のストレス耐性を考えると躊躇せざるを得ないのかもしれません。子供を持つ親御さんは注意が必要です。

 

まとめ

カフェインの新常識を見ていただきましたが、いかがでしたか?

カフェインは、ただあなたの眠気を飛ばすためにあるのではありません。エナジードリンクや抽出個体に頼るのではなく、しっかりとした睡眠をとることも重要です。また新しい知識を得ることによって、健康にも繋がります。明日のあなたの健康に繋がるならば、これほど幸せなことはありません。

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参考文献


※1):Acute Ingestion of Caffeinated Chewing Gum Improves Repeated Sprint Performance of Team Sport Athletes With Low Habitual Caffeine Consumption.Mark Evans,Peter Tierney,Nicola Gray, Greg Hawe,Maria Macken,and Brendan Egan International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism 2018 28:3, 221-227
※2):Pethick J, Winter SL, Burnley M. Caffeine Ingestion Attenuates Fatigue-induced Loss of Muscle Torque Complexity. Med Sci Sports Exerc. 2018 Feb;50(2) 236-245. doi:10.1249/mss.0000000000001441. PMID: 28991045.
※3):Gonglach AR, Ade CJ, Bemben MG, Larson RD, Black CD. Muscle Pain as a Regulator of Cycling Intensity: Effect of Caffeine Ingestion. Med Sci Sports Exerc. 2016 Feb;48(2) 287-296. doi:10.1249/mss.0000000000000767. PMID: 26322555.
※4):Pataky, M. W., Womack, C. J., Saunders, M. J., Goffe, J. L., D’Lugos, A. C., El‐Sohemy, A. and Luden, N. D. (2016), Caffeine, genetics, and time of day. Scand J Med Sci Sports, 26: 613-619. doi:10.1111/sms.12501
※5):The Influence of CYP1A2 Genotype on Caffeine Consumption Habits and Athletic Performance Enhancement in Collegiate Distance Runners.Jiayu Jennifer Ye, Erzsebet Emily Nagy, and Julie T. Millard.The FASEB Journal 2017 31:1_supplement, lb738-lb738
※6):Caffeine intake during pregnancy and early growth and obesity in childhood.E Papadopoulou, AL Brantsæter, M Haugen,et al.Geburtshilfe Frauenheilkd 2016;76-FV034
※7):Ojeh,N.,Stojadinovic,O.,Pastar,I.,Sawaya,A.,Yin,N.and Tomic‐Canic,M.(2016), The effects of caffeine on wound healing.Int Wound J,13:605-613.doi:10.1111/iwj.12327
※8):Casey E.O’NeillRyan J.NewsomJacobStafford,et al.Adolescent caffeine consumption increases adulthood anxiety-related behavior and modifies neuroendocrine signaling,Psychoneuroendocrinology,Volume 67,2016,Pages 40-50,ISSN 0306-4530,