喫煙が与える悪影響は肺だけじゃない!? たばこが運動や体に及ぼすデメリット!

11月 10, 2017健康コラム, 運動タバコ, 健康コラム, 喫煙, 煙草, 運動健康コラム, 運動, 喫煙, 煙草, 運動

今回は運動における喫煙の影響について紹介してみたいと思います。

昔から喫煙による運動への影響として肺機能の低下が言われていますが、最近の研究によると、どうやらそれだけではないようです。

喫煙が体に与える影響は?

ご存知の通り、喫煙が体に与える悪影響は計り知れません。ワシントン大学の健康指標評価研究所(IHME)の指摘する健康被害の原因として挙げられた項目の中でも、肥満や塩分過多などと並び、喫煙が入っています(※1)喫煙によるガン発生率は、非喫煙者と比べ三割以上高いのは、もう常識です。

健康にとって喫煙の有無はとても大きいと言わざるを得ません。ニコチン、タール等を体に取り込めば、肺疾患、ガン、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)を起こします。さらには歯周病や周囲の人間の健康まで蝕むとなれば、何一つ良いことはありません。得られるのは、吸っている本人の一時のストレス解放と食欲減退効果のみ。他人にすれば迷惑以外の何ものでもありません。

と、ここまでが小学生でも知っているタバコの及ぼす体への影響です。今回は当ブログのテーマである『運動』に絡め、喫煙が運動にもたらす影響を説明してみたいと思います。項目は5つ。

5つのポイント!

1.喫煙者は正常時の心拍数が高まる
2.喫煙は筋力、特に心筋ストレス値を上げる
3.喫煙は食事の質を下げる
4.喫煙はうつ・不安障害に陥る確率を上げる
5.喫煙は非喫煙者と比べバランス能力が落ちる

項目を見ただけで運動に関わりそうな項目ばかりです。特に高レベルを求めるアスリートの方々には知っていただきたい内容となっております。

喫煙は緊張感を高め心拍数を上げる

タバコ害に関する研究はこれまでも多く発表されてきましたが、熱に関する研究はそれほど多くはありません。

2016年に発表されたイスラエルで発表された論文によると、喫煙には人間の身体の熱を上げる効果があるそうです。しかしもちろんこれが良いことと言っている訳ではありません(※2)
問題は喫煙によって身体が生理的緊張を高めるという点にあります。発熱により心拍数が上がり、交感神経を刺激するため、身体の体温調整機能を下げてしまうことになります。こうなると、正しく汗がかけなくなってしまいますね。
心肺機能が落ちるだけならまだしも、極論を言ってしまえば運動により上がった体温を正しく下げられない事象が起こるということです。もちろんそうなれば、身体のパフォーマンスは落ちます。身体が熱を発散できなければ、身体は動きません。アスリートには最悪の疾患です。

また、喫煙者は非喫煙者に比べ、安静時の心拍数、血圧が平均的に高いことがわかっています。2017年にサウジアラビアで発表された論文によると、これは若い人ほど顕著で、安静時の心拍数が平常的に上がってしまうことから、いざというタイミングで心拍数を上げられなくなる影響が考えられるのだとか(※3)。また体力の回復を促す休養にも影響を与えるそうです。そりゃあそうですよね、酸素の最大有酸素能力が7割まで落ちるんですから。スポーツ選手が酸素カプセルに入る意味を考えるだけでも明らかです。

最後に1点、ここではっきりと言っておきます。プロと呼ばれるアスリートであっても、喫煙をしている人間を私は一流などと呼びません。どれだけ成績が伴っていても、むしろただの知識不足な愚か者として忌むべき存在です。間違っても真似などしないように…

喫煙は筋力、特に心筋ストレス値を上げる

喫煙が血管を縮めるのは有名な話ですが、直前のタバコが体に与える影響はあまり知られていません。2017年ギリシャのアリストテレス大学の発表によると、運動直前の喫煙は若い喫煙者であっても、心筋ストレスを増幅し、自律神経機能、や大脳へ送られる酸素量を調節不全にするそうです(※4)。結局のところ、直前の喫煙によって心筋の力が落ち、血圧等の機能が戻らないということです。タバコが心臓に無駄な負荷をかけて、より苦しめるってことですね。

より負荷がかかるなら、運動としての効能が高まるんじゃない!?と思ったそこのあなた。残念ながら、こんな研究結果もあるんです(※5)

同じ運動をした喫煙者と非喫煙者の性能指数改善の値に差はなかった。この研究者は差があると考えていたようですが、より負荷をかけたからといって運動効果が高まることはありません。無駄な負荷ってことです♪ わざわざ自分の身体を苦しめるため、運動前にタバコを吸う。とんでもないドMですね……。愚かな変態です。

そして一点補足

ここでは直接喫煙のみが語られていますが、間違いなく受動喫煙でも同じことが起こります本番前のアスリートの近くでタバコを吹かしているあなた、そしてスポーツに勤しむお子さんを持つ親御さん。それ、ただの営業妨害ですから。即刻立ち去ることをオススメします。

 

喫煙は食事の質を下げる

身に覚えがある方も多いのではないでしょうか。良く言われることですが、「タバコをやめると食べのものが美味しい」だの「味が変わる」だのといった話が、研究によって証明されました。

ただ一つ、勘違いをしないでいただきたい点として、昔から言われていた『食欲が減る』という意味では“ありません”。ルクセンブルク研究所より2017年10月に発表された研究結果によると、喫煙者は非喫煙者に比べ、、脂質異常症者が83%、肥満者が34%それぞれ多く、また血糖値異常者が多い傾向が見られ、約半数が高血圧だったそう(※6)

これまで定説的に言われてきた『タバコは食事が減らせる』というただ一点のメリットも、非喫煙者と比べ圧倒的に劣ることが明らかになりました。何より喫煙者は味覚が衰えるため、細かな味が分からなくなり、塩分過多になりがちなことも証明された形となりました。たばこの消費量と食事の質との逆相関は、こういった栄養摂取項目にも現れるということです。私が口癖のように言っている「健康は意識から」に間違いはありません。

喫煙はうつ・不安障害になる確率を上げる

アメリカニューヨーク州立大学の2017年発表によると、喫煙者ほど20~30代のうつ・不安障害症状を訴える比率が高いそうです(※7)。これはあくまで統計学的なデータではありますが、うつや不安障害の予防や治療法の確立の一手として研究を進めるそうで、今後さらなる結果が期待できるかもしれません。

心筋ストレスの項でも言いましたが、喫煙は大脳へ送られる酸素量を下げます。うつや不安障害は脳内の神経伝達物質異常により起こることがわかっていますから、確実に関連はあるでしょう。そもそもセロトニン異常の症状の中に『緊張』や『食欲減退』が入っています。ゴリゴリに喫煙の症状と当てはまってますからね…… 否定のしようがありません。

喫煙は非喫煙者と比べバランス能力が落ちる?

こちらはネブラスカ大学オマハ校で2017年に発表された研究結果で、非喫煙者に比べ喫煙者のバランス能力が落ちるというもの(※8)。結果によると、下肢機能の低下から非喫煙者と比較しバランスが欠如するのだとか。正直なところ、こちらの研究の実施方法に多少の疑問はありますが(汗)、結果としてバランスの欠如が見られたことに変わりはありません。脳機能が落ちれば平衡感覚が狂うことも或いは……程度で収めておきます。

合わせて、運動の質を上げるための方法をご存知ですか?

→ アスリートが知っておくべき運動の質を上げるためのポイント!

まとめ

喫煙による運動能力の低下に関わる新情報、いかがでしたでしょうか。一つも良い情報がありませんでしたね。私が言いたいことはただ一つ、タバコなんてさっさとやめろということだけです。それではまとめましょう。

タバコは……

5つの注意ポイント!

1.無駄に心拍数を高め
2.心筋ストレスを上げ
3.食事の質を下げ
4.うつ・不安障害に陥る確率を上げ
5.平衡感覚まで落とす

付け加えておきますが、タバコの悪影響は、この5つプラスαです。食欲減退すら否定された今、もうよりどころは一時のストレス解放しか残されていません。

最近では、企業などでも喫煙時間によるサボりが明文化されるようになり、喫煙室自体をなくすところも出てきました。本来なら国が進んでやめさせるべきものですが、税収を捨てきれない国のあり方は疑問しかありません。禁煙外来にかかれば本当に簡単にやめられますから、ぜひ予約して病院へ行ってみてください。あなたの無駄なこだわりで、周りは迷惑しています。今がそのチャンスです。

だったら電子タバコに変えようかな…
などと少し頭をよぎったアナタ! それ、無意味ですから。

→ 電子タバコは本当に安全なの? 電子タバコが体に与える影響

健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?

参考文献

※1) :Forouzanfar, M. H., Alexander, L., Anderson, H. R., Bachman, V. F., Biryukov, S., Brauer, M., … & Delwiche, K. (2015). Global, regional, and national comparative risk assessment of 79 behavioural, environmental and occupational, and metabolic risks or clusters of risks in 188 countries, 1990–2013: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2013. The Lancet, 386(10010), 2287-2323.
※2) :Druyan, A., Atias, D., Ketko, I., Cohen-Sivan, Y., & Heled, Y. (2017). The effects of smoking and nicotine ingestion on exercise heat tolerance. Journal of basic and clinical physiology and pharmacology, 28(2), 167-170.
※3) :SMOKER, Y. A. S. (2017). EFFECTS OF SMOKING ON AEROBIC EXERCISE CAPACITY IN.
※4) :Anyfanti, P., Triantafyllidou, E., Papadopoulos, S., Triantafyllou, A., Nikolaidis, M. G., Kyparos, A., … & Dipla, K. (2017). Smoking before isometric exercise amplifies myocardial stress and dysregulates baroreceptor sensitivity and cerebral oxygenation. Journal of the American Society of Hypertension, 11(6), 376-384.
※5) :Siddall, A. G., Bilzon, J. L. J., Thompson, D., Greeves, J., Izard, R., & Stokes, K. A. (2017). Smoking status and physical fitness during initial military training. Occupational Medicine, 67(3), 205-210.
※6) :Alkerwi, A. A., Baydarlioglu, B., Sauvageot, N., Stranges, S., Lemmens, P., Shivappa, N., & Hébert, J. R. (2017). Smoking status is inversely associated with overall diet quality: Findings from the ORISCAV-LUX study. Clinical nutrition, 36(5), 1275-1282.
※7) :Lee, J. Y., Brook, J. S., Finch, S. J., De La Rosa, M., & Brook, D. W. (2017). Joint trajectories of cigarette smoking and depressive symptoms from the mid-20s to the mid-30s predicting generalized anxiety disorder. Journal of addictive diseases, 36(3), 158-166.
※8) :Barber, R. J. (2017). A Comparison of balance between a Smoker and Never-Smoker.