お休みの日はおウチでゴロゴロ。長期休暇は健康にとってプラス? それともマイナス?
長期のお休みとなれば、人はどちらかのパターンに偏ります。
・せっかくだから遠出して遊ぼう!
・こんな時こそおウチでゆっくり
どちらも心地よい過ごし方だと思います。でもせっかくですから、お休み中にもっと体の健康について考えてみませんか? 今回は休暇にまつわる健康の話に触れてみたいと思います。
働きすぎは病気の元
なんでもそうですが、「○○しすぎ」は健康の敵です。勿論日本人が忙しいことは分かっていますが、それでもたまのお休みくらいはゆっくりしたいじゃありませんか。では長いお休みが体にどんな影響を及ぼすか。知ることは常に重要なポイントです。では休暇の健康ポイントと注意点を簡単に確認してみましょう!
やっぱりお休みの健康効果No.1は幸福感の向上!
恐らくは通勤・通学経験のある方ならば、休み前の多幸感は経験があるはずです。
「あと数日でお休み♪」
という幸福感は得も言われぬものです。これら感情にまつわる研究も世界的に行われていて、休暇がストレスの解消や精神面の安定、QOL(生活の質)など様々な心理的改善が見込めることが分かっています(※1)。今さら説明も不要ですね^^;
でも待ってください。ただお休みだと幸福感に酔うのは少々問題もあります。幾つか注意するポイントがあるんです!
(注意ポイント その1) 生活リズムを変えすぎちゃダメ!
生活のリズムは人それぞれ異なりますが、確実に存在し皆さんの生活と密接に関係しているものです。大人ならば基本的にお仕事の時間に依存するかと思いますが、お休み中だからとあまりリズムを変えてしまえば、その後の生活に支障をきたす恐れがあります。睡眠時間の増減や昼寝などは夜間の睡眠の質を変え、逆にあなたの体を疲労させてしまいます。
元々昼夜の逆転した夜勤のお仕事では仕方がありませんが、なるべく朝からの一日のバランスを崩さず生活することが重要です。起きる時間と寝る時間を2時間以上前後させず生活するのがポイントです♪
◆でもバランスが崩れてしまったら?
→ まずは概日リズムを取り戻しましょう!
→ 日光に当たることも重要です!
(注意ポイント その2) ネガティブ思考をお休みモードに切り替えよう!
日頃から疲れた生活を送っていると、お休みに入る瞬間もヌルっとなってしまいがち。しかしそれではいけません。「今日からお休みだ」と気分を切り替えることが必要です。
面白いことに、「休暇だ!」と楽しむ人方ほど休暇満足度が高いことが分かっています(※2)。しかもさらに興味深いことに、「日頃からとても疲れている人」や「仕事に追われている人」でも、休暇中の幸福度に差は生まれないのだとか(※3)。これはいざ休みとなれば、完全に頭を切り替えて楽しむのが吉というのをデータが後押ししています。残念ながら仕事に復帰するとどんな人も幸福感は元に戻るようですが、お休みのその瞬間を幸福に過ごすのは重要ですし、何より体にとっても良いことしかありません。長期連休の入口は、意図的にポジティブ思考に切り替えるのがポイントです♪
◆ネガティブ思考はこんな不健康も…
→ 夢の原因はあなたのネガティブかも?
(注意ポイント その3) お休みだからこそかかる。それがレジャー病!
あなたも、一度は身に覚えがあるはずです。
・あの人は休みになると風邪をひく
・休みになると体調が悪い…
・わざわざ長期連休中にインフルエンザ
こんな休暇中の病気の症状は一般的に『レジャー病』と呼ばれています。「でも偶然でしょ?」とバカにすることなかれ。世界的に研究の対象となっている症状であることを皆さんはご存知でしょうか。オランダで出された統計によると、約3%程度の方がお休みのタイミングで発症し、頭痛、疲労感、筋肉中、吐き気などが一般的な症状として報告されるケースが多いのだそう(※4)。しかも問題なことに、これらは日頃の生活から対処することが困難だとされているのですが、一説には社会的責任や忙しすぎる生活からの一時的開放、急な生活リズムの変化に体が対応できない場合などに起こる頻度が高いと見られており注意が必要です。海外などではクリスマスといった宗教的な意味合いの強い休暇中に急病死が増えることからも、あまり日頃の生活から開放されすぎるのも問題なのかもしれません。
頭はお休みと切り替えつつも、日常から解き放たれすぎない節度が必要、と。なかなか難しいですが、子供やお年寄りは注意が必要かもしれません。
◆海外旅行は流行病にも注意!
→ ちゃんと対策してますか? 海外旅行の感染症予防
(注意ポイント その4) いくら休暇が楽しくても長すぎはダメ!
「このまま永遠に休みが続けばいいのに…」
誰もが願う理想ですが、休暇も長過ぎるのは逆効果なようです。元々仕事に対する満足度が高い方などは、休暇中の多少な仕事はむしろ満足度が上がるようですし、何より休みすぎた場合はその後の離職率が上がってしまうという、誰かの身に覚えがありそうな調査結果も(※1,5)。休みが終われば、必然的に押し寄せるのが焦燥感です。「休んだ分の仕事をしなくては…」と苦痛な思考に陥るのは、休みが長ければ長いほど。なんでも○○すぎはダメな典型的な例です。
適度に休んで適度に働く。
人にとって適度に続けることが健康的であるのは言うまでもありません。
(注意ポイント その5) せっかくですからSNSもお休みしてみませんか?
お休み中も意外に見てしまうもの。それがSNSです。
今や常識となりつつありますが、SNSに縛られた人間が感じるものはストレスのみです。
人は縛られることを嫌います。必要に迫られたSNSの更新はあなたをストレスの鎖で縛ってしまいます。Facebookを対象にしたストレス値の調査結果によると、5日間Facebookから離れたユーザーはストレスの値が有意に低下したのだそうです(※6)。ただのストレスの原因ならば、いっそのこと休みの期間くらいは休憩してみませんか? 残念ながらよほどの有名人でもない限り、あなたのSNSを異常に気にしている人など この世にいません。強迫観念の根本的原因になるくらいなら、そのままやめてしまうのも一つの選択だと思いますよ♪
◆SNSとの健康的な関わり方は?
→ SNSは中毒性の強いツールです
お休みのまとめ
お休みはあなたの心と体を癒やしてくれる素晴らしい時間です。ですが体調を崩してしまえば一生忘れられない苦痛の時間となってしまいます。そんな悲しい時間にしないためにも、事前の心の準備が必要ですね♪
健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?
参考文献
※1 ):Chen, C. C., & Petrick, J. F. (2016). Vacation Recovery Experiences on Life Satisfaction.
※2 ):Besser, A., Zeigler-Hill, V., Weinberg, M., & Pincus, A. L. (2016). Do great expectations lead to great disappointments? Pathological narcissism and the evaluation of vacation experiences. Personality and Individual Differences, 89, 75-79.(LINK)
※3 ):de Bloom, J., Radstaak, M., & Geurts, S. (2014). Vacation Effects on Behaviour, Cognition and Emotions of Compulsive and Non‐compulsive Workers: Do Obsessive Workers Go ‘Cold Turkey’?. Stress and Health, 30(3), 232-243.(LINK)
※4 ):Vingerhoets, A. J., Van Huijgevoort, M., & Van Heck, G. L. (2002). Leisure sickness: A pilot study on its prevalence, phenomenology, and background. Psychotherapy and Psychosomatics, 71(6), 311-317.(LINK)
※5 ):Nawijn, J., & Damen, Y. (2014). Work during vacation: Not so bad after all. Tourism Analysis, 19(6), 759-767.(LINK)
※6 ):vs Facts, M., Cope, H. D. M., & Blog, T. S. M. How Taking a Facebook Break Affects Your Mental Health.
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