運動の有効期限って知ってる? 身体能力と健康の重要な関係性

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壁を登る少女イメージ「身体能力」という言葉を聞き、皆さんはどのようなものを思い浮かべますか? 多くは人それぞれの運動神経やアスリートの運動能力を想像すると思います。ですが、健康の分野における身体能力という言葉の意味は、「健康に暮らしていくための体の力」を指します。言葉から想像いただければ簡単ですが、身体能力が落ちてしまえば健康的な生活を送ることができないのは明らかですよね。ということで、今回は歳を取れば取るほど必要になる身体能力について健康と絡めて触れてみたいと思います。

運動の有効期限を知っていますか?

疑問を感じる子猫まず皆さんに質問です。
世間には大きく分けて3つの人がいます。

3パターンの人がいます

(1).運動が好きでずっと続けている
(2).昔は運動していたけど最近は…
(3).ずっと運動していない

1番の運動を続けている方は当然体力を保てているはずですし、身体能力の低下も最小限に防げていることでしょう。反対に3番のずっと何もしていないのならば、体は訛りきって動かないのは当然です。では2番の方はどうでしょう。昔は運動をしていたけど、最近はめっきりしなくなったという方の身体能力。あなたはどう思いますか?

実は面白いことに、過去の運動には有効期限があると言われています。
10年だと思いますか、それとも20年?

それでは答えです。
実は「たった5年と言われています。これは若くても歳を取っていても違いはそれほどないと思います(75歳の方を対象にした実験結果もあります※1)。10年前までバリバリのアスリートだったとしても、それから全然運動をしていなければ、全て無意味になってしまうことを示しています。

さて、困りました。運動不足の皆さんも顔色が悪くなってしまいました。

「若い頃は足が速かった!」

なんて言ってみても、5年何もせず過ごしていれば、残念ながら昔の動きは不可能です。人間は20代をピークに身体能力が確実に落ちていきます。これはもう仕方のないことです。ですが健康もそれでは困る! ということで、歳を取れば取るほど身体能力の低下を防ぐのが重要なんです。運動の効果は5年しかありません。言い換えれば、「歳を取ってからも運動を続けなければ身体能力は保てない」ということ昔のことは今すぐ忘れてください。重要なのは、過去5年の運動のみです!

身体能力が落ちると人はどうなる?

疑問のある女性では身体能力が落ちると人はどうなるのか。最初は当ブログでも頻繁に出てくるQOL(クオリティ・オブ・ライフ)、いわゆる生活の質の面から確認してみましょう。

年齢に伴う骨密度の低下や筋力の低下は、行動の自由と大きな関係を持っています。それらを見るためにSF-36(気になる方は調べてみてね♪)というQOLを測定するための尺度があるのですが、中高年者層のデータをSF-36に当てはめた場合、中高年の生活の質は身体能力と相関関係にあることが分かっています(※2)これは歳を取っても筋力や骨の強さ、歩く速さなどが伴っていれば生活の質を保つことができることを示していて、いかに身体能力の保持が重要かを物語っています。しかもこれはもともと病気を持っている人でも同じであることが分かっています。
また、男性に比べ女性はこれら値が下がりやすいことも分かっていて、50歳を迎え更年期に差し掛かった女性の身体能力低下は計り知れません。特に運動をしない女性の下半身の衰えは凄まじく、65歳を過ぎてからの歩行に問題を与えるのは確実です(※3)

身体能力低下が病気や怪我の原因に?

ショック!身体能力の低下は転倒の原因となったり(※4)、精神的な苦痛からうつなどの精神的な疾患になることも多いことが分かっています(※5)。また当然ですが生活習慣病や高血圧、最近では認知症やパーキンソン病なども身体能力と関連が指摘されています(※6)。驚くことに、高齢者の1割強の方が何らかの転倒を経験していて、それが原因となり動けなくなってしまう方もいらっしゃいます。また高齢者における身体能力と精神疾患は比例していて、体が動かない方ほど不幸せになるのは確実です。だからこそ、体が動くうちに身体能力低下を防ぐ必要があるのです。

何度も言いますが、運動の効果は長くて5年です。それより前の運動はもうあなたに何ももたらしません。

女性は他にも気にすべき点がある

自分のお腹を摘む女性女性のリスクが高いと前述しましたが、だからといって歳を取ってから運動をすれば良いという訳でもありません。女性は男性とはまた違ったリスクが沢山あります中でも妊娠など女性特有のイベントに伴う身体能力の低下は大きく、日頃から注意が必要です(※7)

例を挙げてみますと、

こんなところに注意!

・妊娠中後期の運動不足
・妊娠中の機能不全(腰を痛める等)
・閉経や月経に伴うホルモンバランスの崩れ
 → ホルモンバランスの崩れはコチラもご覧ください

これらは女性特有の身体能力低下の原因となるため、意識して行動しなければ60歳を過ぎてから運動ができなくなります。そうならないためにも、より早い時期からの心がけが大切なんですね♪

噛むことだって身体能力の一つです

噛じる犬体の機能として噛むことも重要な身体能力の一つです。咀嚼(そしゃく)力や歯に関する生活の質も多く発表されていて、咀嚼力が高いほど生活の質が高いことも分かっています(※8)。噛む力や飲み込む力だって、日頃から鍛えていなければ弱くなるばかりです。そして噛む力が弱まれば、硬いものは食べられませんし、何より消化不良や誤飲の可能性も上がってしまいます。誤飲性肺炎などは屈指の死亡リスクを占めています。

これらも日頃から気にしていなければ鍛えられません。何事も心がけ一つであることが分かりますよね♪

だったらどうすれば身体能力を保てるの?

健康そうな女性動けなくなってしまえばもうお終い。などと、まだ諦めるのは早いです。もちろん普通に動ける方ならば、自分にできる運動から始めてみれば良いと思いますが、実は本当に簡単な運動でも身体能力は改善することが分かっています。

例えば、老人ホームを対象に、全身の振動運動(6週)を行ったところ体のバランスや歩行のスコア値が改善したのが分かっています(※9)。日本でも同じような実験が行われていて、高齢者を対象に乗馬シミュレータを使用した運動(12週)を行ったところ、一部虚弱な高齢者の身体能力レベルを上げたとされています(※10)動けないからダメだ、ではなく、動かすことが重要なんですね。常日頃から運動してきた方には勝てないかもしれませんが、歳を取っても生活に必要な身体能力は運動することで取り戻すことができます。諦めず運動を続けることが重要です

絶対ダメ!【ただし一つ注意】
長年の運動不足が続いていると、急な運動は反対に体を壊してしまう原因になることも…。ですから急な動きを伴う運動を始めるのではなく、簡単な運動から始めるのをオススメします。女性は下半身の筋力を中心に鍛えるのがオススメですので、まずはウォーキングから始めてみると良いかもしれません。

当ブログでも30歳から始めるスポーツを紹介しておりますので、こちらも参考にしてみてください♪ → 30代から始めるスポーツのススメ

身体能力と健康のまとめ

身体能力は歳を取るごとに衰えていきます。残念ながら、これは避けられない事実です。しかし健康的な生活を続けるためには、日頃からの運動が重要です。

まとめるとこんな感じ。

まとめのポイント!

・身体能力は年々落ちる
・健康に過ごすには最低限の身体能力が必要
・5年運動しない期間があると身体能力は劇的に低下する
・歳に関わらず運動すれば身体能力や生活の質は必ず改善する!

運動の質や頻度、生活の感じ方には人それぞれ違いがありますので一概には言えませんが、適度な継続した運動は必ずあなたの体を変え、生活にハリを与えてくれます。ダラダラゴロゴロしているくらいなら、たまにはゆったり散歩してみませんか?

夏は水分補給や塩分補給に気をつけながら、
冬は寒さや気候の変化を気にかけながら、楽しい運動ライフを続けましょう♪

健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?

参考文献



※1 ):Christensen, U., Stovring, N., Schultz‐Larsen, K., Schroll, M., & Avlund, K. (2006). Functional ability at age 75: is there an impact of physical inactivity from middle age to early old age?. Scandinavian journal of medicine & science in sports, 16(4), 245-251.
※2 ):Imagama, S., Hasegawa, Y., Matsuyama, Y., Sakai, Y., Ito, Z., Hamajima, N., & Ishiguro, N. (2011). Influence of sagittal balance and physical ability associated with exercise on quality of life in middle-aged and elderly people. Archives of osteoporosis, 6(1-2), 13-20.
※3 ):Pisciottano, M. V. C., Pinto, S. S., Szejnfeld, V. L., & de Moura Castro, C. H. (2014). The relationship between lean mass, muscle strength and physical ability in independent healthy elderly women from the community. The journal of nutrition, health & aging, 18(5), 554-558.
※4 ):Imagama, S., Ito, Z., Wakao, N., Seki, T., Hirano, K., Muramoto, A., … & Hasegawa, Y. (2013). Influence of spinal sagittal alignment, body balance, muscle strength, and physical ability on falling of middle-aged and elderly males. European spine journal, 22(6), 1346-1353.
※5 ):Street, H., O’Connor, M., & Robinson, H. (2007). Depression in older adults: Exploring the relationship between goal setting and physical health. International Journal of Geriatric Psychiatry: A journal of the psychiatry of late life and allied sciences, 22(11), 1115-1119.
※6 ):Hamer, M., & Chida, Y. (2009). Physical activity and risk of neurodegenerative disease: a systematic review of prospective evidence. Psychological medicine, 39(1), 3-11.
※7 ):Coban, A., Arslan, G. G., Colakfakioglu, A., & Sirlan, A. (2011). Impact on quality of life and physical ability of pregnancy-related back pain in the third trimester of pregnancy. Environment, 114(088), 136.
※8 ):Takata, Y., Ansai, T., Awano, S., Fukuhara, M., Sonoki, K., Wakisaka, M., … & Takehara, T. (2006). Chewing ability and quality of life in an 80‐year‐old population. Journal of oral rehabilitation, 33(5), 330-334.
※9 ):Bruyere, O., Wuidart, M. A., Di Palma, E., Gourlay, M., Ethgen, O., Richy, F., & Reginster, J. Y. (2005). Controlled whole body vibration to decrease fall risk and improve health-related quality of life of nursing home residents. Archives of physical medicine and rehabilitation, 86(2), 303-307.
※10 ):Mitani, Y., Doi, K., Yano, T., Sakamaki, E., Mukai, K., Shinomiya, Y., & Kimura, T. (2008). Effect of exercise using a horse-riding simulator on physical ability of frail seniors. Journal of physical therapy science, 20(3), 177-183.