疲れた夜中、幽霊の仕業で金縛り!? 睡眠麻痺にまつわる健康の話

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硬直して眠る猫睡眠中、突如体が動かせなくなる金縛り。まさかオバケが!? なんてことを想像してしまいますが、実はこれ、睡眠麻痺という一種の「状態」です。今回はそんな金縛りと健康について簡単に紹介してみたいと思います

3日連続金縛り!? 睡眠麻痺について

悪夢を見た女性最初に説明してしまいましょう。金縛りは「睡眠麻痺」に代表されるREM睡眠時に意識の解離によって起こる運動現象でしかありません。レム睡眠中、人の体は基本的に筋力が無力化し、自由に動かすことができなくなります。しかしそんな時でも脳は浅い眠りの状態下で覚醒してしまうことがあり、体は動かず脳だけが半分眠りながら動いてしまう、なんてことが起こります。すると半分だけ動いている脳が自由に動かない体とおかしな意識を勘違いし、妙な感覚だけが残る…といった具合。無筋力と意識の覚醒の共存が起こす「状態」でしかないということなんですね。

という前置きをした上で、意外にも睡眠麻痺が世界中で研究されている題材であることを紹介しつつ、今回は睡眠麻痺と健康についてのポイントを5つに分けてご紹介。頻繁に金縛りにあっているアナタ、実は体に支障をきたしているかもしれませんよ…

睡眠麻痺と健康5つのポイント!

1.金縛りにあう人は意外に多い
2.不健康な生活が金縛りを引き起こす
3.睡眠麻痺は精神的疾患と隣合わせ
4.金縛りにあう人は幸福感を感じていない!?
5.金縛りは遺伝する!?

金縛りにあう人は意外に多い

驚く子犬アナタの周囲や、もしかするとアナタ自身も金縛りの経験があるかもしれません。日本の中高生を対象に行われた睡眠麻痺の経験を聞いたアンケート結果によれば、約8%の学生が睡眠麻痺、いわゆる金縛りを経験していたのだそうです(※1)また生涯の経験となると30%ほどの人が一度は金縛りの経験があるのだそうで、意外なほど多くの方が経験していることなんですね(※2)
またその多くは、半覚醒状態で起こる異常な感覚に恐怖や神秘性を覚えたとされていて、目を開けたまま夢を見ているような経験をするのだそう。半分はアナタの脳が生み出した夢なのですが、半分は現実と動かない体を体感していますから、「霊的な現象」として驚いてしまうことがあるのでしょうね。ちなみに健康ちゃんも中学生の頃に経験があります。ちょっと変な感覚なんですよね♪

不健康な生活が金縛りを引き起こす

酔いつぶれた男性ではなぜ金縛りが起こるのか。残念ながら、まだ完全なメカニズムは明らかになっていないのですが、その事象が多く起こるパターンは幾つか明らかになっています(※3)。大まかなものを挙げてみましょう。

金縛りが起こりやすいパターン

・不規則な睡眠
・睡眠不足
・ナルコレプシー(居眠り病)
・精神的なストレス
・眠りすぎ
・仰向け寝
・飲酒
・過度な運動
・異常な緊張状態     … 等々

基本的にはレム睡眠中の脳の覚醒が原因となるため、脳の興奮状態に作用されることも多いとされていて、脳に直接的に影響を与える睡眠障害やストレス、飲酒や過度の運動などが脳の覚醒を起こしてしまうようです。仰向け寝に関しては舌が気道に落ちることによって無呼吸状態を作る、いわゆる無呼吸症候群と同じ状況ができるから、なんて話もあります。ナルコレプシーに関しても日中に急な強い眠気に襲われるのが主な症状とされている睡眠障害ですから、こちらと関連があるのかもしれませんね。

ただ一つ言えるのは、どれも不健康な睡眠状態だということです。安定しない睡眠を続けた結果、睡眠中の脳の状態が安定せず覚醒してしまうことにより金縛りは起こります。ですから、「俺さ、昨日金縛りにあっちゃって…」と言っている彼は、「俺毎日不健康な生活してるんだ」と言っているのかもしれません。その彼がもしアスリートならば、脳に影響が出るほど過剰な練習をしている可能性もあります。少しだけ体の心配をしてあげましょうね!

残念ながら今のところ治療法はありませんので(※4)、毎日規則正しい睡眠生活を続けるのが一番の解決への近道かもしれません♪

◆睡眠に関する情報はコチラから!
 → アルコールは睡眠の大敵! だから脳が覚醒するのか…
 → 概日リズムの崩れは睡眠の崩れです
 → 運動と睡眠の関係は?

睡眠麻痺は精神的疾患と隣合わせ

心配な女性前述しましたが、金縛りにあうと人は幻覚や悪夢を見る割合が増えるとされています。簡単に説明すると、これは脳の扁桃体(感情や記憶をコントロールしているとされる部分ですね♪)という部分が動かない体に反応して緊張感だとかパニック症状などを起こすためなのですが(※4)、残念なことに、精神的な疲れや疾患のある方の約半数近くが、これら経験を多くすることが分かっています(※5)。言い換えると、頻繁に金縛りにあう方は、精神的に大きな疲れを伴っている可能性があるということ。身体的な疲れや興奮だけならば問題ありませんが、大きなストレスによる金縛りはシャレになりません。近くに病気が迫っている、もしくは片足を入れてしまっていると自覚し、早めの対策が必要です。

睡眠中も体はアナタに訴えかけています。しっかりと脳も休めることが重要です。

◆精神的に疲れているアナタ。他にも様々な情報がコチラにも…
 → そのストレス、強い恐怖が原因じゃありませんか?
 → ストレス解消に静かな美術館などは?
 → 朝ごはん、アナタはちゃんと食べてますか?

金縛りにあう人は幸福感を感じていない!?

おしっこを我慢する子犬睡眠麻痺(金縛り)の経験を調べた中で夢の中身や幸福度について絡めた調査結果があるのですが、面白いことに金縛りと清々しい夢と睡眠の質、幸福度には関連があるかもしれないとまとめられています(※6)。言い換えてしまえば、睡眠の質が高く幸せな人には金縛りになんて起こらないということ。または金縛りにあっても「怖かった」と思わないということです。何とも面白い結果じゃありませんか?

日々幸せに生活していれば、金縛り中に見るおかしな感覚もポジティブに感じられるかもしれない。片や「怖い!」と震えているのに、なんとも差があって悲しいじゃありませんか^^; 考え方一つで差が出るのなら、毎日ポジティブに生きてみる方が良いと思いませんか。健康の基本は意識することから始まります♪

◆健康は意識することから始まります
 → 意識するとそんなに変わるの!? 意識の健康効果

金縛りは遺伝する!?

メタボイメージ最後に変わった情報を。ロンドン大学で行われた睡眠麻痺に関する遺伝的要因を調べた中で、興味深いことが言われているのですが、なんと睡眠麻痺の遺伝的影響が50%程度に見られたのだとか。概日リズムや個々の恒常性(生体リズムですね)によって差異はあるかもしれないとしていますが、金縛りは遺伝子的に関連すると結論づけられています(※7)。なんとも突飛な話ですが、もしアナタが金縛りを経験したならば、アナタのご両親に話を聞いてみると「私もあるわよ」となるかもしれませんね♪

◆遺伝と言えばこんなものも…
 → アナタの食欲、もしかすると遺伝かも…
 → アナタが朝起きれない理由も遺伝かも…
 → 糖分取りすぎると遺伝子が狂うらしいよ…

金縛りのまとめ

金縛りは意外なほど身近であり、もしかするとアナタに大きな危険が迫っているかもしれないと分かっていただけたでしょうか。日常的に経験しないことは、体がアナタに何かを訴えているものと思うことが重要です。
たかが睡眠不足と思わずに、日頃の生活から見直すことも忘れずに…

健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?

参考文献

※1) :Munezawa, T., Kaneita, Y., Osaki, Y., Kanda, H., Ohtsu, T., Suzuki, H., … & Ohida, T. (2011). Nightmare and sleep paralysis among Japanese adolescents: a nationwide representative survey. Sleep medicine, 12(1), 56-64.
※2) :Sharpless, B. A., McCarthy, K. S., Chambless, D. L., Milrod, B. L., Khalsa, S. R., & Barber, J. P. (2010). Isolated sleep paralysis and fearful isolated sleep paralysis in outpatients with panic attacks b. Journal of clinical psychology, 66(12), 1292-1306.
※3) :Golzari, S. E., & Ghabili, K. (2013). Alcohol-mediated sleep paralysis: the earliest known description. Sleep Medicine, 14(3), 298.
※4) :Jalal, B. (2016). How to make the ghosts in my bedroom disappear? Focused-attention meditation combined with muscle relaxation (MR therapy)—a direct treatment intervention for sleep paralysis. Frontiers in psychology, 7, 28.
※5) :Sharpless, B. A., & Barber, J. P. (2011). Lifetime prevalence rates of sleep paralysis: a systematic review. Sleep medicine reviews, 15(5), 311-315.
※6) :Denis, D., & Poerio, G. L. (2017). Terror and bliss? Commonalities and distinctions between sleep paralysis, lucid dreaming, and their associations with waking life experiences. Journal of sleep research, 26(1), 38-47.
※7) :Denis, D., French, C. C., Rowe, R., Zavos, H. M., Nolan, P. M., Parsons, M. J., & Gregory, A. M. (2015). A twin and molecular genetics study of sleep paralysis and associated factors. Journal of sleep research, 24(4), 438-446.