美しい髪は健康の証!? 体毛と健康にまつわる様々な噂と真実!
女性ならば常日頃に憧れる美しい髪。しかし人が持っている毛は髪だけではありません。顔、腕、足、まつげ、鼻、デリケートゾーンなども含めれば、様々なところに生えていますよね。今回はそんな毛にまつわる健康のお話をしてみたいと思います。
不健康は髪に出る!? 毛と健康は密接な関係にあった
人は不健康になると体調に表れますよね。しかしその不健康が最も鮮明に表れるのが髪だとも言われています。薬物の判定などに使用され、世間でもその存在価値が一般的になりつつありますが、実は健康にとって毛が重要であることが分かっています。今回説明したいポイントは10つ。アナタは毛の健康について考えたことがありますか?
1.髪の毛はアナタの不摂生を語る材料だ!
2.髪を洗うことが健康の尺度になり得る!?
3.長生きする人は髪の成分がほぼ同じ!?
4.アスリートの毛を調べるだけでそれまでの努力が一目瞭然!?
5.小さなお子さんのいるお母さんは髪のケアが重要です
6.毛の処理と幸せな生活は比例している!?
7.美容師さんや理容師さんはお客の健康にも気を配るべき!?
8.「毛がない」は厳密に言うと病気である!?
9.良い環境で育った動物は毛も健康的
10.髪の毛一本で病気が分かる時代がすぐそこに…
髪の毛はアナタの不摂生を語る材料だ!
冒頭にも触れましたが、髪の毛には人間の様々な健康状態が表れることが分かっています。女性の40%以上が髪の健康を常に意識しているとされていますが、せっかくですから髪が表す健康状態を分かりやすく列挙してみましょう。
・塩分濃度は脱毛の原因に…
・体脂肪、BMIに準じたミネラル濃度を示す(※1)
・ストレス状態を示すコルチゾールの値が表れる
・子供の栄養状態判断(※2)
・PM2.5、タバコ(ニコチン)曝露率の有無
・ガン、高血圧、心筋梗塞、腎臓疾患、慢性腎不全、糖尿病、線維筋痛症、喘息等における判断分析の可能性(※3-7)
髪の毛一本で分かることが多いこと多いこと。中でもストレス状態などはそれなりのレベルで調べることが可能で、失業などストレスが多い人の髪を調べるとコルチゾールの値が高いことからも明らかです。またあまり知られていませんが、髪染め製品を使う女性を対象とした乳がんの発生率の増加や、喘息を持つ方の髪の状態などから原因物質が特定できるなんてことも。
「最近髪が荒れてるな…」というのは、アナタの生活やストレスが関係しているか、他の外的要因が関係しているのかもしれません。髪の荒れは生活の荒れ。「シャンプー変えてみよう」ではなく、まずはご自身の生活を考えてみるのが重要かもしれませんよ♪
ちなみに髪に良いとされているのは、魚などに含まれるオメガ3脂肪酸、種子油(ヘンプオイル)、キウイ、ナッツ類や野菜などとされており、一般的に健康的な食生活と言われる食品ばかり。たまには気にしてみると良いかもね!
髪を洗うことが健康の尺度になり得る!?
面白いことに、慢性的な運動不足など一般的に不健康と言われる人ほど、髪を洗うことが健康の尺度になるのが調査で分かっています(※8)。これは暗喩的な話でもあるのですが、「運動をしない人」というのは「汗をかかない人」に繋がっており、さらには外へ出ない、靴を履かないなどの行動が繋がり、最終的に「ちゃんと髪を洗う必要がない」という結論になりがちな人なのだとか。端的に言ってしまえば、毎日髪を洗っていることが健康的に行動していることの証明でもあるのかもしれませんね♪
髪のケアを怠っているそこのアナタ、ちゃんと毎日行動的に生活してますか?
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長生きする人は髪の成分がほぼ同じ!?
これまた面白いことに、健康で長寿な人の毛(頭髪)を調べると、どの人も等しく同じような髪質であることが分かっています。中国で100歳以上の健康な方を対象に行われた調査によると、長寿の人は重金属の汚染度が低く、特に亜鉛とセレンの濃度が高い人ほど問題があると指摘されています(※9)。どちらも少量ならば必須元素であることから難しくはありますが、健康食品などで過剰に摂取するのは問題かもしれませんね♪
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アスリートの毛を調べるだけでそれまでの努力が一目瞭然!?
前述したコルチゾール値は、激しい運動や練習を行った場合、急激に増加することが分かっています(※10)。逆に言えば、アスリートの努力は髪に表れるということ。激しい運動を繰り返せば、必然的に髪は荒れ、しかも日に当たれば酸化ストレスに晒された髪はさらに荒れてしまいます。アスリートの体調管理に髪の質、ひいては毛の質はとても重要だということです。
いっつも髪がピカピカで肌もツヤツヤ。この状態が一流のスポーツ選手には難しいものと言える反面、どれだけ生活に気を置いているかが分かる尺度とも言えます。運動能力と同じように、髪の質にまで気を使ってみると新しいスポーツの一面が見えるかもしれませんね♪
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小さなお子さんのいるお母さんは髪のケアが重要です
お子さんのいるお母様ならば常識かもしれませんが、妊娠中や産後の女性は、髪のストレス値や毛髪の状態が著しく落ちることが知られています。前にも出ていますが、髪のコルチゾール濃度は跳ね上がり、産後一年を過ぎても髪が荒れる原因になることが様々な実験で明らかになっています(※11)。お子さんの世話で生活が荒れて…となりがちですが、根本的な原因はお子さんではなくお母様の状態にあることを知るのも重要です。ですから髪のケアを怠ると、必然的に髪質は悪くなるばかり。意識的に髪にも気を使ってあげることが重要です。
またこれら期間は精神的に落ち込みやすい時期でもありますし、お子さんへの影響も大きいですから、ストレスをコントロールできる方法を確立するのが重要かもしれませんね♪
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毛の処理と幸せな生活は比例している!?
日本ではそれほど一般的ではありませんが、海外での女性のデリケートゾーンの処理は当然とされていて、数にして83%程度の方が処理を行っているとされています(※12)。また、これら統計的な情報から明らかになっていることが幾つかあるのですが、しっかりと処理をしている方ほど教育水準や所得が高く、習慣的に対処しているのだとか。これら値は歳を取るごとに顕著に低下し、さらには最初から処理していない場合は男性と出会う頻度がそれなりの値になってしまうそうで。男女の関係も意識によって違うのは当然ですが、数値から見ても明らかなのは確かです。男性も濃すぎるヒゲや薄すぎるヒゲは社会的な魅力度の尺度になっているようで、結局中間のレベルが最も魅力的なのだそう。健康的な生活と同じですね^^;
ただムダ毛の処理は問題もあります。そちらは下の「毛がない」の項目でご確認ください♪
美容師さんや理容師さんはお客の健康にも気を配るべき!?
あまり自分で気付くことのできない体の部分って誰にでもありますよね。背中だったり、頭などは自分で確認することが難しく、そこに病変があったとしても見つけることが困難なことがほとんど。ここで興味深いことを1つ。実は美容師さんや理容師さんは、お客さんの頭皮を見る中でお客さんの頭皮の異常を感じることが多いそうです(※13)。逆に言えば、頭皮の皮膚がんなど気付くことが難しい病気について、事前に知識があるだけで指摘できるかもしれないということ。これってとても重要だと思いませんか? 気になればお客さんに遠回しで話してみることで、その後の人生が変わるなんてことが現実にあるそうです。
反対に、美容師さん自体も多くのヘアコンディショナーなど多くの化学物質を触る機会が多く、世界的に健康リスクが叫ばれ始めています。深く考えている方はあまり多くないかもしれませんが、時には「この化粧品って本当に大丈夫かな?」なんて成分を見てみるのも重要かもしれませんよ。お客様だけでなく、たまには自分の体も気遣ってあげましょうね♪
「毛がない」は厳密に言うと病気である!?
最近は日本でもムダ毛の処理が一般化しつつあり、テレビに出るタレントさんや美意識の高い方などは永久脱毛など行い毛が生えないようにしている方もいるそうです。しかし人類学上、体毛がないのは厳密に言うと病気に分類され、一種の体の問題とも言える訳です。最近では体毛除去に伴う感染症や病気も増えており、美しさや外見上の問題だけを気にかけた不健康の増加が問題になっています(※14)。レーザー脱毛ならばホルモンバランスの崩れや多汗症などの影響がありますし、目の周囲の脱毛などでは網膜などの損傷も。中でもデリケートゾーンの感染症は大きな健康懸念として取り上げられることも…。確かに多毛症などは大きな悩みのタネかもしれませんが、健康を損ねては意味がありません。それらリスクを考えて、正しい判断をすることが重要です♪
良い環境で育った動物は毛も健康的
何も毛の健康は人間だけのものではありません。言葉を話せない牛などの動物に関しても、毛の状態を調べることで健康度を図ることができるのかもしれません。ポーランドで行われた乳牛の毛からミネラル濃度を図った実験によると、毛に含まれる鉱物組織によって牛の出すミルク中の有毒成分や含有量まで分かる可能性があり、牛の健康管理にまで重要な影響を持っているのだと指摘しています(※15)。面白いのは有機的な方法で育てられた牛は文字通り健康的なミネラルバランスにあり、ミルク中の有毒成分量も低いのだとか。人だけでなく、どんな動物にも毛の健康は当てはまるのかもしれませんね♪
髪の毛一本で病気が分かる時代がすぐそこに…
健康状態が分かると前述しましたが、近い将来、これら測定が手軽に行える未来がくるかもしれません。数多くの企業が上記に挙げたような診断を行うツールの開発などを進めているようで、今後大々的な発表がされる日も近い(?)のかもしれません。喫煙の有無を頭髪から調べるキットなどが発売されれば、未成年の喫煙などを測定するのも簡単ですし、有病の有無が髪の毛一本で簡単にできるとなれば、とても健康的ではありませんか! 楽しみに待ちましょう。気になる方は調べてみると面白いかも??
毛に関する健康情報まとめ
今回は毛にまつわる健康の話に触れてみました。ムダ毛処理程度にしか考えたことがない方も多いかと思いますが、毛一本にも皆さんの健康状態が溢れているんですよ♪ 何でも知っておくことは重要です!
健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?
参考文献
※2) :Karlén, J., Ludvigsson, J., Hedmark, M., Faresjö, Å., Theodorsson, E., & Faresjö, T. (2015). Early psychosocial exposures, hair cortisol levels, and disease risk. Pediatrics, 135(6), e1450-e1457.
※3) :Wołowiec, P., Michalak, I., Chojnacka, K., & Mikulewicz, M. (2013). Hair analysis in health assessment. Clinica Chimica Acta, 419, 139-171.
※4) :Kim, Y. S., Kim, K. M., Lee, D. J., Kim, B. T., Park, S. B., Cho, D. Y., … & Joo, N. S. (2011). Women with fibromyalgia have lower levels of calcium, magnesium, iron and manganese in hair mineral analysis. Journal of Korean medical science, 26(10), 1253-1257.
※5) :Llanos, A. A., Rabkin, A., Zirpoli, G., Xing, C. Y., Qin, B., Gonzalez, B. D., … & Ambrosone, C. B. (2017). Abstract B81: Hair product use and breast cancer risk by hormone receptor status in the Women’s Circle of Health Study.
※6) :McDonald, J. A., Tehranifar, P., Flom, J. D., Terry, M. B., & James-Todd, T. (2018). Hair product use, age at menarche and mammographic breast density in multiethnic urban women. Environmental Health, 17(1), 1.
※7) :Measurement of endocrine disrupting and asthma-associated chemicals in hair products used by Black women
※8) :Wan, E. S., Kantorowski, A., Homsy, D., Kadri, R., Richardson, C. R., Mori, D., & Moy, M. L. (2018). Self-reported task-oriented physical activity: A comparison with objective daily step count in COPD. Respiratory Medicine, 140, 63-70.
※9) :Li, Y., Yang, L., Wang, W., Li, H., Lv, J., & Zou, X. (2011). Trace element concentrations in hair of healthy Chinese centenarians. Science of the Total Environment, 409(8), 1385-1390.
※10) :Staufenbiel, S. M., Penninx, B. W., Spijker, A. T., Elzinga, B. M., & van Rossum, E. F. (2013). Hair cortisol, stress exposure, and mental health in humans: a systematic review. Psychoneuroendocrinology, 38(8), 1220-1235.
※11) :Braig, S., Stalder, T., Kirschbaum, C., Rothenbacher, D., & Genuneit, J. (2017). Self-reported stress and mood disorders, hair cortisol, and cortisone in women in the first year postpartum–the Ulm SPATZ Health Study. Das Gesundheitswesen, 79(08/09), V-251.
※12) :Rowen, T. S., Gaither, T. W., Awad, M. A., Osterberg, E. C., Shindel, A. W., & Breyer, B. N. (2016). Pubic hair grooming prevalence and motivation among women in the United States. JAMA dermatology, 152(10), 1106-1113.
※13) :Bailey, E. E., Marghoob, A. A., Orengo, I. F., Testa, M. A., White, V. R., & Geller, A. C. (2011). Skin cancer knowledge, attitudes, and behaviors in the salon: a survey of working hair professionals in Houston, Texas. Archives of dermatology, 147(10), 1159-1165.
※14) :Grossman, S. L., & Annunziato, R. A. (2018). Risky business: is pubic hair removal by women associated with body image and sexual health?. Sexual health.
※15) :Gabryszuk, M., Sloniewski, K., Metera, E., & Sakowski, T. (2010). Content of mineral elements in milk and hair of cows from organic farms. Journal of Elementology, 15(2), 259-267.
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