アナタは一日に塩分をどれだけ取っていますか? あまり知られていない塩の真実!

2018年5月25日食事ナトリウム, 健康, 塩分, 肥満, 食事食事, 健康, 塩分, 肥満, 食事

塩のイメージ

夏が近づくにつれ、熱中症などの話題から水分と塩分の補給が言われるようになりますが、皆さんは自分が一日にどの程度の塩分を取っているか、考えたことがありますか? 今回はそんな塩と健康について考えてみたいと思います。

皆さんはどれくらい塩分を取っている?

疑問のある女性

厚生労働省が発表している国民健康・栄養調査(2016年)によると、平均値は9.9g、男女別にみると、男性10.8g、女性9.2gとなっており、国が一日の目標として定めている8gを超えています。ただ年別で調べてみると、毎年少しずつですが摂取量は減っています(十年前は今の+2g程度)。どれだけ世間の皆さんが減塩思考になっているかが分かる結果とも言えます。

それと同じように、平均の血圧もほんの少しずつですが減少しています。以前より血圧と塩分量は相関関係にあると言われています。簡単にメカニズムを示すと、①塩分取りすぎた → ②血中塩分濃度上昇 → ③水を飲んで薄めなきゃ → ④水を使って塩分濃度の調整 → ⑤結果心臓に負担がかかり血圧上昇、という感じ。塩分量が減れば血圧も下がるのは明らかです。WHOの求める一日の摂取量5gにはまだまだ遠いですが、塩分量を抑えることで、健康に近づくというのは真実と言えるでしょう。

と、前置きはこのくらいにして、今回はそんな塩分についての知識を簡単に紹介してみたいと思います。これを機会に、少しだけ自分の取っている塩分量について考えてみてくださいね♪

見ておくべきポイント!

1.塩分過多は高血圧だけでなく様々な疾病の原因となる
2.歳を取るほど塩分を取りすぎている
3.学力と塩分摂取量は比例している
4.塩分過多は整腸作用を悪化させる
5.塩分過多は胃の作用を悪化させる
6.意識の高さは塩分摂取量の低さと関連する
7.意識すれば塩分摂取量は減る

塩分過多は高血圧だけでなく様々な疾病の原因となる

お腹を押さえる男性

塩分の取りすぎは多くの病気と関連しているのが分かっています。塩分量が関連する病気としてしばしば挙げられるのは、虚血性心疾患や心血管疾患、心不全、慢性腎臓病、糖尿病、自律神経異常、末端血管系異常、骨粗しょう症、脳卒中リスクなどがあり、列挙すればキリがありません。塩分により血圧が上がるメカニズムは、未だ完全に解明されてはいませんが、腎機能や体液、血管、心臓、中枢交感神経にまで変化が見られるのは既に実証されています(※1)。確実に不健康へ近づくのは否定できない事実です。

ちなみにですが、欧米人に比べ、日本人は塩分の感受性が高いことが分かっています。それはより高血圧になりやすいということ。あまり舐めていると、いつか痛い目にあうかもしれませんよ!

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 → タバコは体にこんなに悪い。喫煙のデメリットはこんなに沢山!
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歳を取るほど塩分を取りすぎている

杖をついた老人

先に挙げた国民健康・栄養調査の中でも明らかですが、実は最も塩分量を取っているのが60代というのはご存知でしょうか。これは男女とも同じで、20代に比べ1g以上多く取っていることが明らかです。原因は様々あるのですが、中でも大きいのが味覚の違いです。人間の味覚は歳とともに低下します。40代にもなれば、若い頃の3割り程度機能が低下することも分かっています。

詳しく知りたい方はこちらをどうぞ↓
 → 味覚にまつわる健康的な5つのポイント!

60代にもなってしまえば、それ以上に味の感覚が薄くなり、ついつい塩分を取りすぎてしまう、ということ。

「なんか味薄くない?」
「昔は嫌いだったのに、歳とってから食べられるようになった」

誰しも一度はこんな覚えがあるはずです。ですがこれは、ご自身の塩分量が増えるサインでもあるということ。お気をつけください!

学力と塩分摂取量は比例している

本を読む犬

こちらは中国で実施された調査結果ですが、最終的な学歴によって塩分摂取量に対する意識に差があり、病気になった場合でも減塩の意識が異なるのだとか(※2)。健康的な思考になるためにも、学生時代の勉強は重要だということがよく分かります。これは子供のうちから親や学校がしっかりと食育の重要性を教える意味が分かるというもの。やはり将来の健康には、子供時代からの積み重ねが必要なんですね♪

ちなみに勉強に必要なのは塩分だけではありません。
よろしければこちらもどうぞ。
 → 朝ごはんの重要性を理解していますか?
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塩分過多は整腸作用を悪化させる

お腹を擦る女性

ここ数年、塩分は腸の疾患にも関連しているのではと言われ始めています。中でも炎症性腸疾患は、塩分の取りすぎで起こる可能性があるとマウスを使った調査で明らかになっています(※3)。なんでも、塩分はマウスの結腸内に蓄積していたそうで、直接疾患に関連していたとのこと。これが全て人間にも当てはまるかは現時点で不明ですが、塩分の取りすぎは腸の作用にまで悪影響を及ぼす可能性は否定できません。

歳を取るとお腹がゆるくなったりしますよね?
もしかすると、塩分の取りすぎが原因かもしれませんよ…

塩分過多は胃の作用を悪化させる

お腹を押さえる女性

塩分の摂取量と胃がんのリスクが比例していることをご存知でしょうか。こちらも様々な実験によって分かっているのですが、重要なのはタバコなどの他要因が関連していないことです(※4)。単純に塩分の摂取量が胃の機能悪化に繋がるのは確実です。またピロリ菌を持つ方や胃炎を持つ方は、さらにリスクが高いことも分かっています。機会があれば、一度ピロリ菌などの検査を行うのも重要です。

胃もたれ、胃のむかつき、歳を取るほど辛いものです。だったらいっその事、塩分量を減らしてみませんか? タバコやお酒を止めるのと同じくらい、アナタの健康に良いかもしれませんよ♪

意識の高さは塩分摂取量の低さと関連する

眼鏡をした女性

近年、何かと揶揄される機会の多い『意識高い系』の皆さん。ですが、それが悪いこととされるのは少々心外です。何より健康に関しては、意識を高く持つことが最も重要なのですから。
こんなデータがあります。塩分の摂取量は、識字率が低いか、意識が高い人々ほど低い(※5)。要するに、意識を高く持っている人ほど塩分量が少ないということ。当然と言えば当然ですけど^^;

今の日本で識字率を語るのは無理としても、やはり意識を高く持つことの重要性は改めて考えるべきです。何一つ行動が伴わない人間に限って、意識する人々を下に見ます。それが将来の自分に直結することも知らずなのですから、あまりに愚かです。人を揶揄するより、行きすぎず、少しだけ自分や周りの身を案じてみる。たったそれだけでも良いのです。明日から少しだけ、塩分量の意識を高くしてみませんか?

意識すれば塩分摂取量は減る

ガッツポーズする女性

「でも意識したって一緒でしょ?」
なんて声が聞こえてきそうなので補足します。70件もの論文をモデリングし、塩分量を減らす政策を実施した結果をまとめた調査によると、自発的な塩分量の調整のみでも確実に摂取量が減らせることが分かっています(約1g程度)。そしてそれを続けることで、さらに塩分量は減らせるのだとか(※6)。やりもせず「無駄無駄」なんて諦めるのは違うんです。

もう次の健康診断で引っかかりたくありませんよね。だったら今日から減塩、始めてみませんか?

まとめ

今回は改めて塩分について考えてみました。ジャンクフードや味の濃い食品になれてしまった現代人にとって、塩分を減らすのはなかなか難しいことかもしれません。
ですが生活習慣病は、そのたった一摘みから始まります。ちゃんと出汁を取り、香りを使い、酸味や旨みを使って料理をすれば薄味でも食事は楽しめます。

日頃から少しだけ意識して、減塩生活を始めてみましょう。

と、最後に1点。
とても重要なことがあります。実は塩分に関して言われている推奨量に、確たる証拠はありません。さらに言えば、人それぞれ必要な塩分量が違うことも分かっています。しかし、取りすぎると体に悪影響があるという点は確実(ナトリウム換算で2.3gを超えると死亡率がドンと上がるという話は昔からありますが)であり、これ以上取ってはいけないというボーダーが分からないのも事実。だからこそ、問題の出にくい目安として、5gという数字が言われているんですね。

「必ず5g以下にしなければいけない」ではなく、「塩分量が多くなりすぎない」生活を送ることが、一番重要なのだと思います。なにせ、意識することで塩分量は確実に減るんですから♪

健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?

参考文献


※1) :Suckling, R. J., & Swift, P. A. (2015). The health impacts of dietary sodium and a low-salt diet. Clinical Medicine, 15(6), 585-588.
※2) :Xie, J., Ding, S., Liu, L., Liu, Z., Zhang, Q., Duan, Y., … & Zhou, J. (2017). Health beliefs of salt intake among patients undergoing haemodialysis. Journal of renal care, 43(4), 235-241.
※3) :Tubbs, A. L., Liu, B., Rogers, T. D., Sartor, R. B., & Miao, E. A. (2017). Dietary salt exacerbates experimental colitis. The Journal of Immunology, 199(3), 1051-1059.
※4) :Shikata, K., Kiyohara, Y., Kubo, M., Yonemoto, K., Ninomiya, T., Shirota, T., … & Matsumoto, T. (2006). A prospective study of dietary salt intake and gastric cancer incidence in a defined Japanese population: the Hisayama study. International Journal of Cancer, 119(1), 196-201.
※5) :Luta, X., Hayoz, S., Krause, C. G., Sommerhalder, K., Roos, E., Strazzullo, P., & Beer-Borst, S. (2017). The relationship of health/food literacy and salt awareness to daily sodium and potassium intake among a workplace population in Switzerland. Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases.
※6) :Hyseni, L., Elliot-Green, A., Lloyd-Williams, F., Kypridemos, C., O’Flaherty, M., McGill, R., … & Capewell, S. (2017). Systematic review of dietary salt reduction policies: Evidence for an effectiveness hierarchy?. PloS one, 12(5), e0177535.