清潔なことは良いこと!? 衛生と健康の関係性について

5月 16, 2018健康コラム健康コラム, 清潔, 衛生健康コラム, 清潔, 衛生

絵を描く子供

時折聞かれる噂にこんなものがあります。

「健康には衛生的な生活が肝心」

人間が生活する上で、衛生面はどれほど重要なのでしょうか。今回は、清潔さと健康の関連性について軽く触れてみたいと思います。

清潔は健康的で安全?

清潔に片付いた部屋

稀に清潔すぎるのも問題と聞きますが、本当のところはどうなのでしょうか。様々な文献や知見を参考に、現代の生活習慣病や感染症などを対象に考えてみると、今の日本は清潔すぎるのかもしれません。

というのも、人が生活する上で必要とされる最低限の衛生さを挙げた場合、それほど多くのポイントがないからです。簡単に列挙してみるとこんな感じ。

衛生的な生活のポイント

1.飲料水の衛生さ
2.水回り(上下水含む)の衛生さ
3.衛生管理のあり方
4.住環境

大きく分けると、たった4つのポイントしかありません。せっかくですから、一つずつ説明してみましょう。

 

飲料水の衛生さが健康的な生活の基本

飲料水イメージ

世界的な衛生さの指標として、まず挙げられるのが飲料水の衛生さです。日本が長寿の国として存在するのも、この飲料水の衛生度の高さが一つの理由だと言われています。世界中の人口を対象にすれば、毎日安定的に安全な飲料水を得られる人口は半分にも満たないと言われています。「水が衛生的でない=不健康」はデータからも明らかで(※1)健康の根源は清潔な水であるのは確実です。

と、今の日本で説明するのは難しいですよね。公園の蛇口からも清潔な水が得られるのですから、日本はとても恵まれた国と言えます。当たり前だと思っている日常に感謝するのも大切ですね♪

水回り(上下水含む)の衛生さは健康的生活に必須

清潔さを求められる設備として、最も重要なのは水回りです。中でも特に下水関連設備(トイレやお風呂など)は重要で、下痢などを始めとした感染症などの病気は、この水回りから発生します。日本に住んでいると実感はないかもしれませんが、トイレ環境の整わない海外の国々などは、そこから様々なリスクが溢れ出します(※2)。健康の基本は水回りの清潔さがとても重要ということを覚えておいてください。

こちらも現代の日本で説明するのは難しい^^;
しかし災害などで環境が壊された場合などは、こういった知識が健康を保つため重要になります。水回りの清潔さは健康的な生活に不可欠です。

衛生管理をしっかり続けることが健康生活の1ページ!

掃除のイメージ

いくら一時的に水回りが清潔でも、それを保つことが出来なければ意味がありません。しかしそれを保つことができれば、今の日本でそう簡単に感染症や疫病が流行ったりすることはありません。遠く離れたケニアの学校を対象に行われた水回りの衛生さに関する調査でも明らかなように、日本より衛生面で劣るであろうケニアでも、衛生管理のあり方一つで健康的な生活を手に入れられることが分かっています(※3)。稀に日本でも不健康な水回りを維持(?)している方がいますが、反対にそうでなければ何も問題がないことを示しています。

あまり肩肘張らずに、毎日適度な清潔さを目指せば健康的に生活できる。そんなところでしょうか♪

住環境と健康の関係性

「健康には衛生的な生活が肝心?」という質問に対し、近年言われている大きなポイントは、「見た目の清潔さが重要ではない」という点です。

「小さな子供のために家は清潔にしないと!」なんて言葉をよく聞きますが、必要以上に菌を気にしたり、除菌除菌と狂ったように拭き掃除をしても、実は個人的な家庭の清潔さなどが、喘息やアレルギーなどの特定的な疾患のリスクと関連しないことが分かっています(※4)。簡単に言うと、「別に多少部屋が汚れていたりホコリがあっても、アレルギーや喘息になったりしない」ということ。過敏すぎるほど清潔を求める方がいますが、健康にはそれほど重要でないということなんですね。

「だったら何が重要なんだよ!」

そんな疑問の答えが「見た目の清潔さが重要ではない」というポイントです。実は近年問題視されているのが、目に見えないハウスダストや家に潜む微生物のたぐい。しかも面倒なことに、これらは掃除や衛生管理で変えられない「固定環境」という点なんです。自宅を綺麗にしても、家が持っている固定のリスクは排除できないという点なんですね。一部の物は掃除や新品の物へ買い替えすることで清潔さや微生物は減らせるけど、アトピーなどの発生率は変えられない。何とも難しい問題です…

ですから、もし住環境による健康悪化があるのならば、場所を変えるのが最良の手段であるかもしれないと知っておくことは重要です。

ポイント!最後に1点。
何も健康のためには汚くても良いと言いたい訳ではありません。室内の空気は換気することで細菌が減るのは当然ですし、呼吸器に良いことも、最近では学業の成績まで上がるのでは?と言われていたりします(※5)。また清潔な物は資源的な価値も高めますし、ましてや清潔でなければならない場所(医療機関等)も当然あります。重要なのは「最高を求めすぎない」というところでしょうか。運動や健康と同じですよね♪

まとめ

清潔さを求めるのは人間の本能と言えるかもしれません。ただ必要以上の清潔が本当に意味のあるものなのかと聞かれると、どうにも難しいところです。あまり過敏になりすぎることなく、節度のある清潔さを身につけるのが健康への近道かもしれません♪

ただ汚すぎるのが不健康なことは確実です。いくら水回りが綺麗でも、アナタが汚れていては意味ないですよ!

健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?

参考文献

※1) :Caruso, B. A., Sevilimedu, V., Fung, I. C. H., Patkar, A., & Baker, K. K. (2015). Gender disparities in water, sanitation, and global health. The Lancet, 386(9994), 650-651.
※2) :Heijnen, M., Cumming, O., Peletz, R., Chan, G. K. S., Brown, J., Baker, K., & Clasen, T. (2014). Shared sanitation versus individual household latrines: a systematic review of health outcomes. PLoS One, 9(4), e93300.
※3) :Garn, J. V., Brumback, B. A., Drews-Botsch, C. D., Lash, T. L., Kramer, M. R., & Freeman, M. C. (2016). Estimating the effect of school water, sanitation, and hygiene improvements on pupil health outcomes. Epidemiology (Cambridge, Mass.), 27(5), 752.
※4) :Weber, J., Illi, S., Nowak, D., Schierl, R., Holst, O., von Mutius, E., & Ege, M. J. (2015). Asthma and the hygiene hypothesis. Does cleanliness matter?. American journal of respiratory and critical care medicine, 191(5), 522-529.
※5) :Haverinen-Shaughnessy, U., Shaughnessy, R. J., Cole, E. C., Toyinbo, O., & Moschandreas, D. J. (2015). An assessment of indoor environmental quality in schools and its association with health and performance. Building and Environment, 93, 35-40.