早食いは体に悪いと聞いたけど。速く食べることの何が不健康なの? 今さら聞けない早食いの話

5月 14, 2018食事カロリー, 早食い, 歯周病, 睡眠, 糖尿病, 肥満, 食べ方, 食事食事, 早食い, 歯周病, 睡眠, 糖尿病, 肥満, 食べ方, 食事

メタボイメージ

アナタも「早食いは太るし不健康」と一度は誰かに言われたことがあるはずです。ならば聞きますが、早食いは何故体に悪いのか、アナタは説明できますか? 今回は、そんなアナタのための早食いが体に与える悪影響について触れてみたいと思います。

早食いは体に悪いのか?

疑問を感じる子猫

ごく普通に生活している皆さんが漠然と知っている一般的な知識。「早食い」って何だろう?

疑問?

・早食いは太る?
・早食いは体に悪い?
・早食いは不健康の元?

このような大枠の部分だけを聞かされてきた方が多いのではないでしょうか。しかし事詳細に「早食いが体にどう悪いの?」と聞かれると答えられない方も多いはず。実は早食いは、お医者さんが考える「気をつけるべき食習慣」の項目でも常に上位でランクインしています(この手のアンケートは沢山あります。気になる方は調べてみてね♪)。ただどう悪いかを詳しく教えてもらう機会はそれほど多くないはず。

ということで、ここでは早食いが体に与える悪影響を幾つかのポイントに分けて説明してみたいと思います。ポイントはなんと12個。何とも沢山の悪影響があるものです。日々の生活で早食いに陥りがちな皆さん、これを機に食生活を改めてみてくださいね♪

12個のポイント!

1.早食いな人ほど太りやすい
2.早食いは血圧や脂質レベルを上げる
3.早食いとコレステロール量は比例する
4.早食いな人ほど糖尿病になりやすい
5.早食いは消化不良や胃食道逆流症になる
6.早食いは脂肪肝になる
7.早食いは満腹感が得られない
8.早食いは交感神経活動を鈍らせる
9.早食いな人ほど口内環境が悪い
10.早食いは心臓に悪い
11.子供の早食いは洒落にならない
12.早食いは睡眠障害を誘発する!?

早食いな人ほど太りやすい

自分のお腹を摘む女性

まずは根本的なデータを紹介します。早食いが太りやすいとされるには沢山の根拠があります。もちろん細かな理由があるのですが、ここでは単純に早食いが太るというデータを紹介してみましょう。

食べる速さと肥満の関係性を調べた調査は、それはもう綺羅星のごとく沢山あります。なかでも興味深いのは長期の調査を行った調査結果。八年にも及び、「普通群」と「早食い群」の体重増加率を調べた結果、単純に約2キロ、体重の増減に差があったとされています(※1)。当然、これは日本人を対象にした調査結果です。
もちろんこれは日本人だけじゃありません。オランダ人を対象にした早食いとBMI値の調査でも早食いはBMIが高くなることが分かっていますし(※2)、当然メタボリックシンドロームの発生率とも比例しています(※3)。これらは主に統計を元にした平均であり、太る理由ではありません。ただ、まず前提として「早食いは太る」という漠然とした言葉が正しいことを知ってください。

「早食いは太る」のです。そして、その理由は以降を読んでいただければ分かると思います♪

早食いは血圧や脂質レベルを上げる

悩むサラリーマン

食事の速度が血圧や脂質レベルを上げるのは既に常識です。7年に渡り食事の速度と糖尿病に関連する項目について調査した結果、高血圧、高脂血症は早食いと密接な関連があるとまとめられています(※4)。また日本人40歳以上の方7000人を対象にした心血管リスクを調べた中でも、同じように血圧、および脂質レベルが食べる速さと比例して増加することが指摘されています(※5)。加えて残念なことに、これら結果は年齢に関係がありません。日本の若い女性を対象にした脂肪と早食いについてまとめられた調査結果によれば、急速に食べている群に属する女性は、体脂肪率の高さと有意に関係していたとされています(※6)。夢も希望もありませんが、早食いは脂肪を溜め込み、血圧もあげてしまう。どうやら本当のようです。

早食いとコレステロール量は比例する

炭水化物イメージ

食べる速度の違いによって、LDLコレステロール値、HDLコレステロール値、グルコースなどの値を比較調査したところ、早食いはいわゆる悪玉コレステロールの値を有意に高め、善玉コレステロールの値を下げることが分かっています(※7)。しかも問題なのは、「速く食べれば食べるほど」コレステロールの値に問題がでるということ。日本で行われた類似の調査でも、残念ながら同じ結果が出ています。ただ速く食べるだけで、善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やしてしまう。皮肉な結果です…

早食いな人ほど糖尿病になりやすい

風邪を引いたワンちゃん

脂質やコレステロール、血圧などが上がれば人間の体はどうなるか。言わずもがな、糖尿病を誘発します。段階をおって説明すれば、まず早食いは耐糖能異常の発生率を高めます(※8)。簡単に言えば、糖尿病予備群にあたる状態です。これを放置すれば、残念ながら糖尿病と相成るわけですね。早食いと糖尿病に関連する研究結果は多々ありますが、分かりやすいのは食べる速さ別のグルコース代謝速度を示した調査結果(※9)食べる時間だけで糖の吸収のされ方が異なるのは驚きですよね。単純に早食いだけで糖尿病のリスクが2倍以上になると結論付けているものも多くあります。それでもアナタは、まだ早食いを続けますか?

早食いは消化不良や胃食道逆流症になる

お腹を押さえる男性

「最近、消化不良気味で…」

なんて言葉を女性からよく聞きますが、もしかするとそれは「早食い」のせいかもしれません。食事時間と消化不良、胃食道逆流症の関連性を調査した結果によると、より早食いな人ほど消化不良や逆流症を発症しているのだとか(※10)。また、食事時間が13分以内に分類される方々ほど顕著だそうで、早食いがいかに胃や食道に悪いかも示しています。
胃や腸に関しても早食いの悪影響について様々な調査がされているのですが、どれも結果は胃腸炎等のリスク増加を結論としています。特に男性はそれらリスクが高く、ゆっくり食べる人と比べ大きなリスクがあるのだとか。わざわざ速く食べてお腹を壊していては意味がありません。ゆっくり良く噛んで食べるのを心がけたいものですね♪

早食いは脂肪肝になる

揚げ物イメージ図

アルコールを伴わない脂肪肝の発症と食べ方を調査した研究結果によると、早食いや就寝前の食事は、お酒を飲まなくても脂肪肝の発生率をとっても高くするのだそう(※11)。世のお父さん方には「そんなこと知ってるし、今さら言わないでくれ」と言われそうですが、残念ながら事実です。「早食いや深夜食は脂肪肝になる」は、教訓として覚えておいてください。深夜にしか食べられないならば、少なくとも早食いはやめましょう!

早食いは満腹感が得られない

チョコレートを持つ女性

昔からよく言われることですが、早食いは満腹感が得られません。こちらは14年にアメリカで発表された満腹感に関する研究結果で、速い摂食状態では満腹感が得られず、遅い場合とは別の結果が出ています(※12)。ただこちらの調査、目的は別にあって、結果として「肥満の人ほど食欲が落ちない」ことを指摘しています。何が言いたいかというと、「早食いで太った人は、食べ続けても満腹感が得られない」ということ。これは長年早食いを続けることで、なかなか満腹感を得られない体が出来てしまうということを示しています。

「早食いじゃなくてもお腹が減ったまま…」

そんなアナタは、既に体が変わっているのかもしれません。まずはゆっくり食べ、痩せることから始めてみましょう。

早食いは交感神経活動を鈍らせる

複雑に絡まった糸のイメージ図

簡単な話なのですが、「早食い」は「あまり噛まない」と言い換えることができます。あまり噛まないとどんなことが起きるか。簡単です、自律神経の働きが鈍くなるだけです。自律神経が鈍くなると言われてもピンとこないかもしれませんが、こちらの調査結果から分かりやすく言えば、「カロリーを消費しない」ということなのだそう(※13)咀嚼しない → 自律神経を働かせる暇がない → 食物の温熱効果を発揮させられない、というのがデータから明らかになり、結果的に「咀嚼の数」と「交感神経の活動」は比例関係になるのだとか。噛めば噛むほど交感神経は活発になるし、エネルギー消費も増える。ゆっくり食べることが健康に繋がる理由は、こんなところにも隠れているようです。

早食いな人ほど口内環境が悪い

虫歯の子供イメージ図

早食いが不健康であることは、何も太るからだけではありません。アナタは早食いな人ほど「口の中の環境が悪い」ことをご存知ですか?
食事の速度、BMI、ウエスト、口内環境を調べたところ、早食いで、かつ肥満の人ほど口内の環境が悪かったことが、日本で行われた調査結果で分かっています(※14)歯周病や歯の数など、太っていれば太っているほど悪くなるとなれば、日頃から気をつけなければならないのは明白。早食いで、かつ肥満な方。ちゃんと歯のケアもしましょうね♪

歯周病に関してはこちらもご覧ください↓

早食いは心臓に悪い

鼓動のイメージ図

食べる速度の違い別に、血圧、LDLコレステロール値、HDLコレステロール値、グルコースなどの値を比較調査したところ、早食いに相当する群はゆっくり食べる方々に比べ、これら値が悪く、心筋代謝リスクが高いことが分かっています(※15)。日本でも同じような実験が行われていて、HDLコレステロールの低下や中性脂肪などが高くなることが分かっています(※16)。「時間がないから急いで食べなきゃ」と食事をかきこむ。お昼にはよく見る光景です。しかしただ速く食べるだけで心臓に悪いなんて、アナタは信じられますか? 早食いは心臓に悪い。どうやら真実のようです。

子供の早食いは洒落にならない

困った子犬

ここまでのポイントは、残念ながら子供にはより残酷な結果として現れるようです。就学前の子供を対象にした「食事の速度と摂取量」を調査した結果、なんと子供の早食いが、とんでもない可能性を叩き出すことが分かりました(※17)。それは、「早食いが肥満の可能性を445倍高くする」というもの。恐ろしくないですか^^;

BMIや血圧に関しても大人と同様に上がることは以前から分かっている常識ですし、なかなか残酷な事実です。さらに言えば、より早食いの子は、日に日にその量を増やすため、口も量も大きくなっていくのだとか。子供の肥満は早食いから始まると言っても過言ではありません。
世のお父さんお母さん、お子さんが小さなうちから、ゆっくりしっかり噛んで食べる癖をつけさせるのが重要ですよ!

早食いは睡眠障害を誘発する!?

悪夢を見た女性

こちらは睡眠障害と日頃の行動を調べた調査の結果です。なんと驚いたことに、日頃から早食いをしている人ほど睡眠障害を起こす率が高いことが分かったのだとか(※18)。しかもこれは女性ではなく男性だけ。早食いの男性は、睡眠障害を起こす率が高くなる。なんと早食いは睡眠にまで影響を及ぼすようです。現在はその理由まで明らかになっていませんが、これからの続報に期待しましょう♪

まとめ

いかがでしたか。早食いが起こす不健康の連鎖に驚いたのではないでしょうか。簡単にまとめてみましょう。

早食いは…

高血圧かつ脂質を溜め込み、善玉コレステロールを減らし悪玉コレステロールを増やし消化不良逆流症で気管も壊し口内環境も悪化させ、脂肪肝を作り上げ、その上食事の満足感の得られない体にした挙げ句、カロリー消費も減らして最後には心臓を握りつぶすという不健康効果を持っています。しかも子供の頃から、アナタをしたたかに狙っています。

冗談ではありません。
早食いはこれほどに不健康の塊なのです。

ただ安心してください。そんなものは、自分の意思で簡単に変えられます。ゆっくり良く噛んで食事を楽しむ。それだけです。今日から意識して食事をしてみてください。きっとアナタの生活も変わると思いますよ♪

健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?

参考文献

※1) :Tanihara, S., Imatoh, T., Miyazaki, M., Babazono, A., Momose, Y., Baba, M., … & Une, H. (2011). Retrospective longitudinal study on the relationship between 8-year weight change and current eating speed. Appetite, 57(1), 179-183.
※2) :van den Boer, J. H., Kranendonk, J., van de Wiel, A., Feskens, E. J., Geelen, A., & Mars, M. (2017). Self-reported eating rate is associated with weight status in a Dutch population: a validation study and a cross-sectional study. International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity, 14(1), 121.
※3) :Association Between Eating Speed and Metabolic Syndrome in a Three-Year Population-Based Cohort Study
※4) :Sakurai, M., Nakamura, K., Miura, K., Takamura, T., Yoshita, K., Nagasawa, S. Y., … & Suwazono, Y. (2012). Self-reported speed of eating and 7-year risk of type 2 diabetes mellitus in middle-aged Japanese men. Metabolism-Clinical and Experimental, 61(11), 1566-1571.
※5) :Ohkuma, T., Fujii, H., Iwase, M., Kikuchi, Y., Ogata, S., Idewaki, Y., … & Ninomiya, T. (2013). Impact of eating rate on obesity and cardiovascular risk factors according to glucose tolerance status: the Fukuoka Diabetes Registry and the Hisayama Study. Diabetologia, 56(1), 70-77.
※6) :Yaguchi-Tanaka, Y., Kawagoshi, Y., Sasaki, S., & Fukao, A. (2013). Cross-sectional study of possible association between rapid eating and high body fat rates among female Japanese college students. Journal of nutritional science and vitaminology, 59(3), 243-249.
※7) :Lee, K. S., Kim, D. H., Jang, J. S., Nam, G. E., Shin, Y. N., Bok, A. R., … & Cho, K. H. (2013). Eating rate is associated with cardiometabolic risk factors in Korean adults. Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases, 23(7), 635-641.
※8) :Totsuka, K., Maeno, T., Saito, K., Kodama, S., Asumi, M., Yachi, Y., … & Naito, T. (2011). Self-reported fast eating is a potent predictor of development of impaired glucose tolerance in Japanese men and women: Tsukuba Medical Center Study. Diabetes research and clinical practice, 94(3), e72-e74.
※9) :Aoki, K. (2017). Effect of eating speed on obesity and diabetes mellitus. Journal of Advanced Nutrition and Human Metabolism, 3.
※10) :Sinn, D. H., Shin, D. H., Lim, S. W., Kim, K. M., Son, H. J., Kim, J. J., … & Rhee, P. L. (2010). The speed of eating and functional dyspepsia in young women. Gut and liver, 4(2), 173.
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※15) :Lee, K. S., Kim, D. H., Jang, J. S., Nam, G. E., Shin, Y. N., Bok, A. R., … & Cho, K. H. (2013). Eating rate is associated with cardiometabolic risk factors in Korean adults. Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases, 23(7), 635-641.
※16) :Yamaji, T., Mikami, S., Kobatake, H., Tanaka, K., Higashi, Y., & Kihara, Y. (2017). Slow Down, You Eat Too Fast: Fast Eating Associate With Obesity and Future Prevalence of Metabolic Syndrome.
※17) :Lin, M., Pan, L., Tang, L., Jiang, J., Wang, Y., & Jin, R. (2014). Association of eating speed and energy intake of main meals with overweight in Chinese pre-school children. Public health nutrition, 17(9), 2029-2036.
※18) :Kageyama, M., Odagiri, K., Mizuta, I., Yamamoto, M., Yamaga, K., Hirano, T., … & Uehara, A. (2017). Health-related behaviors associated with subjective sleep insufficiency in Japanese workers: A cross-sectional study. Journal of occupational health, 59(2), 139-146.