お盆休みは海外旅行へ行く準備万端? 気にしておくべき旅行にまつわる健康の話

5月 7, 2018健康コラムお盆休み, 健康コラム, 感染症, 海外旅行, 長期休暇, 高額医療費健康コラム, 健康コラム, 感染症, 海外旅行, 長期休暇, 高額医療費

世界イメージ

平成最後のGWは終わってしまいましたが、また少しすれば、今度はお盆休みがやってきます。「長期連休で海外旅行!」なんて張り切っていたら、旅行先で病気に…なんてことも良くある話。ということで、今回は旅行(主に海外)における健康にまつわるお話をしてみたいと思います。

旅行先には知らない不健康がいっぱい!?

可愛い猫

まず前提として、日本はとても進んだ国であることを知ってください。大都市だけでなく地方の都市ですら病院や医療機関が準備され、保険制度や医療設備も充実しています。それでいて平均寿命や医療費の安さに関しても世界の国々と比べて秀でており、目新しい感染症などの病気に出会う機会も少ない。残念ながら、日本ほど整った環境の国はそうそうありません。
反対に、場所によって海外の多くの国は観光地でさえ医療機関や環境が整っておらず、意外なほど健康面で困ってしまうことが多いのも事実。この際、せっかくですから旅行へ行く前に知っておきましょう。

海外旅行は感染症への注意が重要

アレルギーに悩む女性

最近ではアフリカ、中南米、南アジアの一部国などを除き、公な観光地への渡航の場合、事前の予防接種などないのがほとんどです。せいぜい「はしか」や「風しん」、東南アジアならA型肝炎などの予防接種を受ける程度でしょう(海外渡航の事前接種についてはこちらをどうぞ)。しかし残念ながら、感染症の全てを事前に防ぐことはできません。事前の予防接種に含まれていない感染症についていくつか簡単に挙げてみましょう。

【感染症その1】マラリア

主に熱帯地域(東南アジア等)で伝染する蚊を媒体とする感染症です。インフルエンザに似た症状に加え、羅患率と死亡率も高い病気です。また発症までに時間がかかる場合があり、帰省後も注意が必要です。旅行先によっては、事前に予防薬などを服用する必要があるので、必ず旅行2週間前までに専門の機関へ確認を。意外なほど発症例の大きな病気です。最近では新しい種類の感染例も出ています(※1)。事前の対策は重要です。

【感染症その2】デング熱

東南アジア、アフリカ、アメリカなどで流行したデング熱にも注意が必要です。こちらも蚊を媒体として流行する病気で、ヨーロッパやアメリカなど、メジャーな地域でも感染が確認されています。急性のデング熱ならば7日以内の発熱が見込まれるため帰省後の発症もあるため注意が必要です。

【感染症その3】ジカ熱

15年以降、アメリカなどでも感染が拡大したジカ熱。リオデジャネイロオリンピックなどでも話題になった、こちらも蚊を媒体とする感染症です。症状はデング熱に似ていますが、それよりは症状が軽いと言われています。ただし、妊婦が感染すると胎児に悪影響を及ぼす可能性が高くなるため注意が必要です。また性的な感染も起こるため、色々と気をつけましょう。

【感染症その4】性感染症

旅行で意外に多いのが性感染症だと言われています。開放感からなのか、旅行先ではコンドーム等の感染症予防具の使用率が異常に低く(一説には17%程度(※2)とか)、恐ろしく高い感染率を誇っています。タイなどの東南アジア諸国を対象にした感染症の実例などでも、毎回ベスト10に性感染症がランクインしています。有病率35%という非常に高いリスクを覚えておくことが重要です。

【感染症その5】アルボウイルス感染

アメリカなどで感染が確認されているウイルスで、こちらも蚊などを媒体に感染が拡大します(※3)。種類が100以上確認されていて、黄熱などもこれらウイルスに含まれるので本項目に含めるかは微妙ですが、非常に高い致死率を持つウイルスもあるため注意が必要です。感染の流行情報程度はチェックしておくと良いでしょう。

【その他感染症】

他にも、耳の感染症、皮膚感染症、泌尿器、胃腸、呼吸器、目、など多数にわたっていて、そのほとんどがワクチンで予防できないものだったことが分かっています。予防可能なのは、たったの0.8%。南部のヨーロッパなどでは未だ高い感染率が指摘されており注意が必要です(※4)

感染症のほかにも沢山! 意外な健康問題

驚く子犬

感染症だけではありません。他にも健康に関する問題は沢山あります。例えばインドへ行った場合の健康リスクを表したもので言うと、

健康リスク!

・咳、鼻水、喉の痛み
・筋骨格系の痛み
・発熱
・下痢
・皮膚障害
・動物接触による障害

など。なんと旅行者の半分強がこれら症状を訴えているとか(※5)。なかなか凄い数値です^^;

国や地域によっては、人口集中による大気汚染が影響で咳などの症状が出ます。中国やインド、東南アジアの一部都市、アメリカの一部地域などでは、交通量の多い時間にはPM2.5の値がとんでもない地域も存在します。出発前に現地の状況を知っておくことは重要です。日本とは比べ物にならないため、本当に大変ですよ!

また、一部の高所地域では高度病、移動時間が長ければ塞栓症(エコノミークラス症候群等)、持病がある人などは悪化の恐れもあります。古来より移動は健康に対して大きなリスクを持っていることが知られています。どれだけ楽しみでも、事前の準備は常に必要です。8時間以上の移動を伴う旅行はリスクが大きいとされています(※6)。気になる方は、事前にお薬等の準備を…

海外は医療費が高額です

悩むサラリーマン

最後に補足情報を。
ご存知かと思いますが、海外は医療費の形態が日本とは異なります。アメリカなどでは、旅行保険等の適用外となれば異常に高額な請求を受けることとなります。医療費破産することも稀でなく、その額は国内とは比べ物になりません。海外旅行の際には高額の医療費までカバー可能な保険に加入することをオススメします。

なお、海外で受けた医療費は、一部健康保険が使用できます。足しになるかは分かりませんが、気になる方はこちらをどうぞ。現地で発行された診療の証明書や明細書がないと受付できませんので、受診後は必ず受け取るようにしましょうね♪

まとめ

今回は改めて海外旅行の健康リスクについて触れてみました。どれも常識的な内容ですが、実は重要です。海外を優雅で楽しく遊ぶためには、事前の準備が必要ということですね♪

健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?

参考文献

※1) :Froeschl, G., Beissner, M., Huber, K., Bretzel, G., Hoelscher, M., & Rothe, C. (2018). Plasmodium knowlesi infection in a returning German traveller from Thailand: a case report on an emerging malaria pathogen in a popular low-risk travel destination. BMC infectious diseases, 18(1), 148.
※2) :Svensson, P., Sundbeck, M., Persson, K. I., Stafström, M., Östergren, P. O., Mannheimer, L., & Agardh, A. (2018). A meta-analysis and systematic literature review of factors associated with sexual risk-taking during international travel. Travel medicine and infectious disease.
※3) :Lindholm, D. A., Myers, T., Widjaja, S., Grant, E. M., Telu, K., Lalani, T., … & Kunz, A. (2017). Mosquito exposure and chikungunya and dengue infection among travelers during the chikungunya outbreak in the Americas. The American journal of tropical medicine and hygiene, 96(4), 903-912.
※4) :Siikamäki, H., Kivelä, P., Fotopoulos, M., & Kantele, A. (2017). A closer look at travellers’ infections abroad: Finnish nationwide data with incidences, 2010 to 2012. Travel medicine and infectious disease, 15, 29-36.
※5) :Olanwijitwong, J., Piyaphanee, W., Poovorawan, K., Lawpoolsri, S., Chanthavanich, P., Wichainprasast, P., & Tantawichien, T. (2017). Health problems among Thai tourists returning from India. Journal of travel medicine, 24(4).
※6) :Meyer, J. C., Nkonde, K., & Schellack, N. (2017). Travel medicine: An overview. SA Pharmaceutical Journal, 84(6), 19-28.