ナメちゃいけない骨のリスク! 骨折は不健康の始まり。健康と骨折の関係7選!

2018年5月2日健康コラム, 運動健康コラム, 運動, 骨折, 高齢者健康コラム, 運動, 骨折, 高齢者

治療するイメージ

「60歳を過ぎてから骨折した」
成人にもなれば、恐らく一度は周囲で聞いたことがあるはずです。しかし笑い事ではありません。歳をとってからの骨折は命の危険を伴います。“ある箇所”の骨折をしただけで12ヶ月以内に死亡する可能性が3.5倍も高くなると知っても、アナタは笑っていられますか? たかが骨折と舐めていると、酷い目にあいます(※1)

ということで、今回は骨折に関連する健康の話題について触れてみたいと思います。

骨折は高齢者にとってリスクの高い疾患である

骨折イメージ

脅すわけではありませんが、高齢者にとっての骨折は、命の危険と隣り合わせであることを知っておくべきです。“ある箇所”と書きましたが、皆さんは高齢者に多い『股関節』の骨折について、世界中で論文が発表されているのをご存知でしょうか? 股関節の骨折は、高齢者にとってもっとも一般的な重傷であるとされることもあるほどです。

大袈裟になってしまうのもそのはずで、高齢者が股関節の骨折で入院した場合、その5.5%もの人が入院したまま亡くなっているいるからです。冗談だと思う人もいるでしょうが、これは事実です(※2)中でも男性に比べ、女性の比率が高く、決して笑い事でないことは明らかです。また回復率に関しても問題があり、骨折する前に元気だった人でも満足に回復しないケースが多々報告されており、『骨折しないこと』がいかに重要かを物語っています。断っておきますが、もちろん亡くなる直接の理由は骨折ではありません。動けなくなることによる死亡リスクの増加が原因であるのは言うまでもないと思います。高齢者の皆さんや、その方々と関わる人達ほど、日頃から気をつけるべきと知っておくことが重要です。

この他にも骨折には様々な健康にまつわる情報が隠れています。今回は7つに分けて紹介してみたいと思います。

7つのポイント!

1.女性は40歳をすぎると骨折のリスクが跳ね上がる
2.骨折は回復後も生活の質を下げる
3.糖尿病は骨折リスクを高める
4.太っている人は骨折のリスク大
5.一度骨折すると別の場所も骨折しやすい!?
6.腎臓・呼吸器・胃腸の悪い高齢者ほど注意が必要
7.骨折治療後ほどちゃんと病院へ…

女性は40歳をすぎると骨折のリスクが跳ね上がる

疲れた女性

なぜ女性は高齢になると骨折してしまうのか。理由は様々ありますが、一般的に知られているのは閉経後のホルモンバランスの崩れです。骨粗しょう症は患者さんの9割が女性で、主に60歳以上の方が占めています。また残念なことに、それらはデータにも現れています(※3)

これら根本的な原因を除去するのは難しいですが、ビタミンD、カルシウム不足や運動不足が骨を脆くする原因であるのは分かっています。意識的に行動し、必要な栄養素の含まれた食品を取ることで、骨折のリスクは減らすことができます。40を過ぎたら女としては終わり、などとつまらないことを言うのではなく、何歳になっても若々しく生活するのが重要ということですね♪

女性の骨に関してはこちらもご一読ください。

→ 歯周病と骨粗しょう症の関連性
→ 本質的に女性は運動不足!?

骨折は回復後も生活の質を下げる

お酒を飲んで居眠りする女性

こちらは股関節骨折患者さんの生活の質を調査した結果ですが、骨折は回復の有無に限らず、患者さんの生活の質を大きく下げてしまうことが分かっています(※4)。これは年齢や性別を問わず全ての患者さんに言えることがポイントで、例えちゃんと治ったとしても、その後1年間は生活が元に戻らないことを意味しています。

5歳でも50歳でも同じなのです。骨折は、いかなる人の生活に悪影響を及ぼす大きな疾患であることを理解してください。「治っても最低1年引きずる病気」であると認識することが重要です!

糖尿病は骨折リスクを高める

お腹の異常

こちらは1型の糖尿病患者さんを対象にした調査結果なのですが、糖尿病を患う患者さんは、そうでない人に比べ四肢にまつわる骨折が多くなるのだそう(対比率10%弱程度)。そのリスクも歳を重ねるほど上がっていくため、あらかじめ知っておくことはとても重要です(※4)。当然ですが2型の人も同じです。年齢により差異はありますが、患者さんは自分の持つリスク管理を覚えることも必要です。

太っている人は骨折のリスク大

自分のお腹を摘む女性

こんな噂を聞いたことはないでしょうか?

「太っている人は骨が丈夫」

骨には刺激が重要で、太っている人ほど骨に刺激を与えているため骨密度が高いという話。こちら、確かに骨密度という観点で言うと高いことが分かっていますが、肥満よる衝撃を考慮したことはありますか? 残念ながら、太っている人ほど骨折のリスクは高いという話がちらほらと。骨が強くとも、重量による衝撃は痩せた人の非ではありません。結果的に骨は耐えきれず骨折するという結果に^^; 何とも皮肉な結果です。
しかも残念なことに、肥満な人ほど骨折後の入院期間や回復率も低いという恐ろしい結果が(※5)。一つの情報に踊らされると陥りやすい罠であることが分かっていただけたかと思います。

ポイント!ただ一つ注意点。

急に体重を落とした場合、骨密度が急激に落ちる可能性(特に女性!)が指摘されています。気になる方は、運動や食事を工夫し、少しずつ肥満を解消できるよう心がけるのが大切です♪

 

一度骨折すると別の場所も骨折しやすい!?

膝を痛めた選手

こちらは手首を骨折したあとの女性の骨折リスクを調査した結果なのですが、骨折したことのある女性は、そうでない女性に比べ、全く別の場所を骨折する確立が高いのだとか(※6)。しかもこちら、若く骨折した人ほど多く言えるようで、その根本的な理由の裏には栄養不足、運動不足、閉経によるホルモンバランスの崩れなどが隠れているようです。「骨折した」ということは、逆に言えば「骨折しやすかった」ということ。そこに大きな原因がなければ、「自分は骨折しやすい」「骨が脆くなっている」と自覚すべきということです。単純ですよね。

近年は若くして簡単に骨折する人が増えていると聞きます。アメリカなどでは過半数にも及ぶ子供がビタミンD濃度に問題があるとされている時代です。将来の自分を想像し、食生活や運動習慣を見直すのが重要です。

腎臓・呼吸器・胃腸の悪い高齢者ほど注意が必要

杖をついた老人

前述したとおり、高齢者の骨折は回復するのがなかなか難しいのは言うまでもありません。さらに加えると、腎臓、呼吸器、胃腸が元々悪い方に関しては、さらに難しいというデータがあります。

高齢者を対象にした骨折後の回復率を調べたところ、事前に腎臓、呼吸器、胃腸に問題があった患者さんは、その結果が芳しくなかったとのこと(※7)。少々酷な話とはなりますが、これらに該当する方々にとって、とても大きなリスクであるとは間違いありません。まだ30代だからと油断しがちなそこのアナタ。

「ちょっとお酒の飲み過ぎで…」
「昔から気管支が弱くて…」
「ストレスで胃が荒れてて…」

こんな症状、身に覚えがありませんか?
ほんの十年後、予備軍に踏み込むアナタの姿が目に浮かびます。残念です…。

骨折治療後ほどちゃんと病院へ…

OKサインを出す医師

骨折し完治した患者さんを対象にした調査の結果、骨が脆く骨粗しょう症の疑いがあるため継続した通院を求められた人であっても、ちゃんと通院しない人が多いのだとか(※8)。骨折後、最初に行う受診の有無がもっとも重要なその後の予測因子になるため、もし「骨が脆くなっている」とお医者さんに指摘された方は、億劫に思わず、しっかり通院することが重要です。ちなみに、高齢になればなるほど再通院をしないそうです^^;

体を動かすのが億劫なのは分かります。しかしそれも自分のため、誰かの手を借りてでも、しっかりと治しましょう♪

まとめ

骨折について触れてみましたが、いかがだったでしょうか。高齢者にとって、骨折は大きな問題です。本人だけでなく、周りの人も一緒になって気をつけるのが重要です。

ポイント!最後に1点補足を。
「もう骨折しちゃったんだけど」と悲観しないでください。最近では骨折後のフォローアップに関する分野も日々進歩しています

ビタミンDやカルシウムだけでなく、カロテノイドやカルシフェジオールといったお薬の効果も上がっていますし、しっかりとお医者さんの指示を聞き、リハビリに励むことで必ず改善します。諦めている暇があったら、明日の健康について考えてみましょう? 少しだけ楽しくなりますから。

健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?

参考文献


※1) :Lystad, R. P., Cameron, C. M., & Mitchell, R. J. (2017). Mortality risk among older Australians hospitalised with hip fracture: a population-based matched cohort study. Archives of osteoporosis, 12(1), 67.
※2) :Padron-Monedero, A., Lopez-Cuadrado, T., Galan, I., Martinez-Sanchez, E. V., Martin, P., & Fernandez-Cuenca, R. (2017). Effect of comorbidities on the association between age and hospital mortality after fall-related hip fracture in elderly patients. Osteoporosis International, 28(5), 1559-1568.
※3) :Sullivan, S. D., Lehman, A., Nathan, N. K., Thomson, C. A., & Howard, B. V. (2017). Age of menopause and fracture risk in postmenopausal women randomized to calcium+ vitamin D, hormone therapy, or the combination: results from the Women’s Health Initiative Clinical Trials. Menopause, 24(4), 371-378.
※4) :Griffin, X. L., Parsons, N., Achten, J., Fernandez, M., & Costa, M. L. (2015). Recovery of health-related quality of life in a United Kingdom hip fracture population: the Warwick Hip Trauma Evaluation-a prospective cohort study. Bone Joint J, 97(3), 372-382.
※5) :Compston, J. E., Flahive, J., Hooven, F. H., Anderson, F. A., Adachi, J. D., Boonen, S., … & LaCroix, A. Z. (2014). Obesity, health-care utilization, and health-related quality of life after fracture in postmenopausal women: Global Longitudinal Study of Osteoporosis in Women (GLOW). Calcified tissue international, 94(2), 223-231.
※6) :Crandall, C. J., Hovey, K. M., Cauley, J. A., Andrews, C. A., Curtis, J. R., Wactawski‐Wende, J., … & LeBoff, M. S. (2015). Wrist fracture and risk of subsequent fracture: findings from the Women’s Health Initiative Study. Journal of Bone and Mineral Research, 30(11), 2086-2095.
※7) :Bliemel, C., Buecking, B., Oberkircher, L., Knobe, M., Ruchholtz, S., & Eschbach, D. (2017). The impact of pre-existing conditions on functional outcome and mortality in geriatric hip fracture patients. International orthopaedics, 41(10), 1995-2000.
※8) :Gillespie, C. W., & Morin, P. E. (2017). Osteoporosis‐Related Health Services Utilization Following First Hip Fracture Among a Cohort of Privately‐Insured Women in the United States, 2008–2014: An Observational Study. Journal of Bone and Mineral Research, 32(5), 1052-1061.