健康と運動にまつわる豆知識!【2018年春版】
桜の季節も終わりが近づき、いよいよ2018年新年度が始まりましたね。新しく社会人になった方々や、中学・高校・大学へと進級した皆さんは新たな環境へ飛び込むことになります。最初が肝心だからと意気込むのは当然ですが、無理をしすぎるのは禁物です。
ここで一つ注意点。新しい生活が始まると、人は運動不足や不規則な生活が続けがちになります。ということで、今回は健康、主に運動にまつわる豆知識をいくつか紹介してみたいと思います。よろしければ生活の潤いの一つにしてみてください♪
知らないことはまだまだ沢山ある!
健康や運動にまつわる情報は、毎日のように新しく発表され、そこから淘汰されたものだけが皆さんの元へと届けられます。しかし中には、「そんな情報あるの?」や「聞いたこともないよ!」なんていう面白い情報が止まったままになってしまうことも。今回はそんなあまり知られていない豆知識の一端を紹介します。項目は8つ。それではいってみましょう!
2.ちょっとした怪我には有酸素運動が有効
3.妊娠中の運動不足は出産後に太る原因
4.母親が太っている人ほど運動は重要
5.大きな病気をした後ほど運動すべき!?
6.女性は男性より運動不足
7.ちょっと野菜を増やしても痩せません
8.運動しなくても運動できる未来が近づいている!?
短い運動でも続ければ代謝は劇的に上がる
「新生活が始まってから忙しくて運動する暇なんてない!」
よく聞く言い訳の常套句です。ですが待ってください。そんなあなたに朗報です。運動は何も長時間やれば良いという訳ではありません。短時間の運動でも体の代謝を劇的に上げられる方法があります。方法は簡単。約一分間、全力で激しい運動を行うことです。「そんなことで効果があるの?」と思われますが、こんな結果が出ています(※1)。
全力のサイクリングを20秒間、これを2分間隔で3セット行う運動を12週続けた時の代謝増加量と、適度な負荷で45分のサイクリングを12週行った場合の代謝増加量を比べたところ、同程度の結果が出たのだとか。正味の運動時間はたったの1分です。これで45分の有酸素運動と同じ結果が得られたというのですから驚きです。簡単に言ってしまえば、これは脂肪燃焼効果はないものの、体の基礎代謝量は下げずに済むということ。ですがこれ、とても重要なポイントなんです。
歳を取るごとに太りやすくなる原因の一つに、基礎代謝量の低下があります。ただ、代謝量が下げなければ、痩せやすい体を保つことはできるということ。逆に言えば、これを続けるだけで痩せやすい体を保つことができるってことです。ダイエットの初期段階は基礎代謝量を上げる筋力トレーニングが一般的とされていますが、端的にこれが不要となります。それだけでも凄いと思いませんか?
「少し余裕ができたし運動を再開しようかな」と思っても、代謝の落ちた体からすぐに脂肪は落ちません。それを避けられるたった1分でできる対処法、試さない選択肢はありませんよね♪
ただし2点注意。
急な運動は怪我を伴います。運動を行う前後にウォーミングアップ(2分程度)、クールダウン(3分程度)をちゃんと行ってください。それでも合計10分とかかりませんから簡単ですよね♪
もう1点。こちらはどちらかと言えば若い方向けの方法となっています。運動不足なお父さんお母さんが急な運動をするのは非常に危険です。体が運動に慣れるまではしっかりとウォーミングアップすることをオススメします。
ちょっとした怪我には有酸素運動が有効
慣れない環境に身を置くと、稀にちょっとした怪我や傷を負ってしまう、なんてことありますよね。そんな時に覚えておいてほしいのが、適度な有酸素運動をすると傷が早く治るという点。
これ、マウスでも人間の体でも実証されていて、完治に2週間かかる傷が10日まで縮まるんだとか。あまり強い負荷をかけてしまうと効果がなくなってしまうので、適度な有酸素運動を心がけてみると良いかもしれません(※2)♪
妊娠中の運動不足は出産後に太る原因
「出産したら太っちゃって」
こんな言葉、よく聞きますよね? 実はそれには理由があるんです。
妊娠中に運動をせずにいた女性は、産後に体重が増え、代謝も大幅に落ちることが実験でわかっています。逆に妊娠中も運動していた方々は、出産後の体重増加などがないそうです。しかも妊娠中の運動不足は、お子さんの合併症リスクを下げることもわかっています。激しい運動は避けなければいけませんが、適度な運動が親子ともにマイナスになることはありません(※3,4)。先生と相談し、可能な運動を考えてみてください。これが産後に太らない秘訣です!
水中ウォーキングは本当にオススメです。
母親が太っている人ほど運動は重要
こちらは皆さんのお母様の話。実は妊娠中に「太っていた」「運動をしなかった」「体脂肪率が高かった」などの条件が、お子さんの肥満や糖尿病発症リスクの増加に直結することがわかっています(※5)。皆さんが生まれた時、お母様は痩せていましたか? もしそうでないのなら、残念ながら、あなたはもともと太る才能を持って生まれているかもしれません。「そんなまさか!?」と思ったあなた。まずはウォーキングから始めてみませんか?
大きな病気をした後ほど運動すべき!?
この春、大きな怪我や病気から復帰し心機一転!なんて素晴らしい方々もいるかと思います。しかし病後は体を心配するあまり活動量を落としてしまいがちです。
しかしそれではいけません。身体的運動は病後の心理的利益、体力的利益ともに促進することが多くの研究でわかっています(例※6)。ガンなどの大きな病気でも、運動を早く始めることがその後の治療や症状に影響を及ぼすことがわかっています。突然激しい運動をすることは難しいかもしれませんが、お医者さんやトレーナーに相談し、自発的に動いてみることがその後の生活の糧にもなりますし、健康にも繋がります。閉じこもるのは不健康の始まりです。まずは動くことから始めてみませんか?
女性は男性より運動不足
女性には残念なお話ですが、男性に比べ女性は運動不足であることが多くの調査からも明らかです(※7)。もちろん個人差はありますが、自覚がある方もいるんじゃありませんか?
平均的な寿命は女性の方が長いものの、体を動かす機会は少ないという矛盾から、単純に健康問題に直結させることはできないとまとめられているものの、運動量が少ないことは事実として存在します。
しかも最近では、過去に運動として存在していた様々な日常の動き(炊事・洗濯などなど)が消えてなくなりました。それに加え、食生活も洋風に変化し、生活習慣病へ繋がる道は限りなく増えています。今現在、運動をしていない若い女性は、今の高齢者の方々とは比べ物にならないほど動いていないということです。では今後どんな問題が起こってくるのでしょう?
例えば骨粗しょう症率の増加。こちらは9割以上女性が発症するので有名で、その一端を運動不足がになっているとも言われています。女性ホルモンの低下する閉経時期などは本当に気をつけなければいけません。
たとえ長生きしても、健康でなければ人は不幸に感じてしまいます。元気で長生きできるよう、日頃から気にかけるのは重要です♪
骨粗しょう症についてはこちらもどうぞ
ちょっと野菜を増やしても痩せません
ここで夢も希望もない話を一つ。
「今日はダイエットのために食物繊維を多めに食べるんだ♪」と珍しく意気込んだアナタ。しかしそれは無駄かもしれません。20~30代を対象に繊維の多い食事を一ヶ月間続けるという調査の結果、体重も減らないし、お腹周りも細くはならなかったそうです(※8)。簡単に言うと、食物繊維を多く食べ続けても痩せることはないということ。残念です…。
ただ勘違いしないでいただきたいのは、「細くならず痩せない」だけで、糖尿や高脂血症、メタボリックシンドロームなど、様々なリスクを下げることは確かです。単純に、「健康には最高!」だけど「痩せない」ってだけです。野菜を増やすより、少し運動する量を増やす方が体重を減らすには重要ってことですね^^;
運動しなくても運動できる未来が近づいている!?
「でも運動なんかしたくない! どうにかして楽して痩せられないの!?」とワガママの限り叫ぶ人がいます。これまでならば「運動しろ!」でおしまいでしたが、どうやらそれも終わりが近づいているかもしれません。
運動しなくても体が勝手に運動する。そんな世界が近く実現すると予想されているのをご存知でしょうか? この分野の実験は最近になって急速に進んでいるのですが、細胞レベルでエネルギー消費を促すお薬が開発されつつあるのが現場で、先五年の間にも海外で発売されるのではというのが信憑性の高い噂です。その手の文献も本当に増えていて、座ってるだけで痩せられる時代が来るのは恐らく確実です。
ただ残念ながら、日本で実現するのはさらに時間が過ぎてから。なので今は大人しく走るしかありません。五年先より、目の前の健康です。たまには駅から自宅まで歩いてみませんか?
まとめ
春先の健康運動情報、いかがだったでしょうか。日頃から運動を気にかけるのはとても重要です。時間がなくてもできることは必ずあります。まずは何か始めてみるのが重要ですよ♪
健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?
参考文献
※2):Keylock T, Meserve L, Wolfe A. Low-intensity Exercise Accelerates Wound Healing in Diabetic Mice. Wounds. 2018 Mar;30(3) 68-71. PMID: 29166252.
※3):Exercise training during pregnancy reduces circulating insulin levels in overweight/obese women postpartum: secondary analysis of a randomised controlled trial (the ETIP trial).Kirsti K. Garnæs, Siv Mørkved,et al.BMC Pregnancy and ChildbirthBMC series–open, inclusive and trusted 2018,18:18
※4):Exercise during pregnancy on maternal lipids: a secondary analysis of randomized controlled trial.Robinson Ramírez-Vélez.Felipe Lobelo,et al.BMC Pregnancy and Childbirth BMC series–open,inclusive and trusted2017,17:396
※5):Exercise Before and During Pregnancy Prevents the Deleterious Effects of Maternal High-Fat Feeding on Metabolic Health of Male Offspring. Kristin I. Stanford, et al.Diabetes Feb 2015, 64 (2) 427-433
※6):Effects of exercise on fitness and health of adults with spinal cord injury
Jan W. van der Scheer, Kathleen A. Martin Ginis, David S. Ditor,et al.Neurology Aug 2017, 89 (7) 736-745;
※7):Hands B, Parker H, Larkin D, Cantell M, Rose E (2016) Male and Female Differences in Health Benefits Derived from Physical Activity: Implications for Exercise Prescription. J Womens Health, Issues Care 5:4. doi:10.4172/2325-9795.1000238
※8):AL HAMMADI, Eiman. Effects of Dietary Fiber Intake on Body Weight and Waist Circumference. Arab Journal of Nutrition and Exercise (AJNE), [S.l.], p. 77-84, nov. 2017. ISSN 2518-6590.
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