2018年春版。0から始めるタフな体の育て方、最新睡眠ニュース!

2018年3月19日睡眠睡眠,睡眠障害睡眠,睡眠,睡眠障害

眠る犬たち

寒さも和らぎ、もうすぐ新緑の季節がやってきます。寝るのが気持ちいい季節になりましたが、皆さん毎日ちゃんと寝ていますか?
ということで、今回は2018年春版の睡眠に関する新情報をお届けしたいと思います。

20歳時代の体重がその後の睡眠に影響を与える

眠った子犬

成人を過ぎた皆さんに質問です。あなたは20歳の時の体重を覚えていますか? もし現在の体重がその時よりもかなり増えているのならば、睡眠の質が著しく低下しているかもしれません。

18年1月に発表されたスウェーデンを対象にした睡眠調査の結果、20歳時にBMIが低かった人ほど、その後の体重増加が睡眠の質に影響を与えるのだとか(※1)。「昔はあんなに痩せていたのに…」という、そこのあなた。実は睡眠の質が大幅に落ちているかもしれません。睡眠時無呼吸症候群や体型の維持を本気で考慮してみる必要があるでしょう。

寝不足は総合的な運動能力を下げる

ランニングする男性達

睡眠不足が選手の筋力にどの程度の影響を与えるかを調査した結果、運動中の筋力には大きな影響を与えないが、連動的な力の出力に影響を及ぼすことがわかりました。簡単に言えば動きの中で出せる力が落ちるということ。アスリートに必要なのはほとんどの場合一つの動きだけではないので、睡眠不足は、ほぼ全てのスポーツ選手に影響を与えると言えることに(※2)

「忙しすぎて寝る暇が…」というのはスポーツ選手には致命的であるということです。世間には「実力では勝っているはずなのに本番に弱い」というアスリートが多数存在しますが、こういった部分が一要素になる可能性もあるということです。気になる方はメンタルトレーナーに相談してみることで、劇的な改善が見込めるかもしれませんよ♪

大学生の約1/3が睡眠不足で、1/4は睡眠の質が低い

眠る猫

近年の睡眠障害の根本は、若年時の睡眠に問題があるとも言われています。その証拠に、アメリカの六大学で集計された睡眠調査によると、7時間以上の睡眠をとっている学生は全体の約64%しかおらず、睡眠時間を削っていることがわかりました。学生の27%は睡眠の質も悪いと回答していて、これだけ若いうちから四人に一人もの睡眠障害があるのは考えものです(※3)。現代人は睡眠をないがしろにしがちですが、睡眠不足や質の低下は歳をおうごとにガクッときます。若いうちから気にかけておくのは非常に重要です。

IT事業者や介護事業者は睡眠障害率が高い

パソコンと眼鏡

かねてより睡眠不足や睡眠障害は心臓の血管への影響を与えることが言われていますが、睡眠と心血管疾患リスクを調査したところ、IT従事者や介護事業者は睡眠に問題を抱えているというデータが発表されました。IT従事者に関しては、そもそも睡眠時間が短く、睡眠時無呼吸症候群のリスクも高く、睡眠の質が低い人ほど心血管疾患のリスクも上がるのだとか。近年ますます需要が増えつつあるIT関連事業者ですが、あまりに忙しすぎるのも考えものです(※4)

子供の睡眠パターンは人種によって異なる

嫌がる子供

体格や貧富さはあるものの、太平洋諸国に住む子供達に比べ、ヨーロッパに住む子供達のほうが睡眠の質や時間が良いという結果が出ています。なんとも情けない結果ですが、この結果に異論を挟む余地がないのも事実。アジアを始めとする太平洋諸国の睡眠時間は群を抜いて短いことで知られています(※5)中でも日本は酷く、睡眠時間は短く睡眠の質も下から数えたほうが早いという悲惨な状況。どうやら子供時代から根本的に寝ない社会が蔓延しているのが問題なようです。働き方改革も重要ですが、睡眠時間を確保できる社会づくりの方がもっと重要です。

ヨーロッパに比べ、アジア系やアメリカ・メキシコ系の人は睡眠時無呼吸症候群になりやすい

睡眠パターンの話も絡みますが、どうやら睡眠の質が低い国は睡眠時無呼吸症候群の発症率や重症化率も高いようです。根底には肥満率や顔の構造なども原因にあるようですが、なんとも悲しい結果となっています(※6)。肥満率が無呼吸症候群に直結するのは当然ですが、どうやら日本や中国などの地域に住んでいる私達にとって、この疾患は切っても切れない関係なのかもしれません。

まとめ

2017年に睡眠・概日リズムに関する研究がノーベル生理学賞を取りましたが、それは睡眠が人々に与える影響が計り知れないことを暗に示しています。2000年以降、睡眠に関する常識が毎日のように変化していますが、私達も新しい情報を常に取入れ、質の良い睡眠を目指していきたいですね♪

健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?

参考文献


※1) :Cai, G. H., Janson, C., Theorell-Haglöw, J., Benedict, C., Elmståhl, S., Lind, L., & Lindberg, E. (2018). Both Weight at Age 20 and Weight Gain Have an Impact on Sleep Disturbances Later in Life: Results of the EpiHealth Study. Sleep, 41(1), zsx176.
※2) :Knowles, O. E., Drinkwater, E. J., Urwin, C. S., Lamon, S., & Aisbett, B. (2018). Inadequate sleep and muscle strength: Implications for resistance training. Journal of science and medicine in sport.
※3) :Becker, S. P., Jarrett, M. A., Luebbe, A. M., Garner, A. A., Burns, G. L., & Kofler, M. J. (2018). Sleep in a large, multi-university sample of college students: sleep problem prevalence, sex differences, and mental health correlates. Sleep health, 4(2), 174-181.
※4) :Buxton, O. M., Lee, S., Marino, M., Beverly, C., Almeida, D. M., & Berkman, L. (2018). Sleep Health and Predicted Cardiometabolic Risk Scores in Employed Adults From Two Industries. Journal of Clinical Sleep Medicine, 14(03), 371-383.
※5) :Vaipuna, T. F., Williams, S. M., Farmer, V. L., Meredith-Jones, K. A., Richards, R., Galland, B. C., … & Taylor, R. W. (2018). Sleep patterns in children differ by ethnicity: cross-sectional and longitudinal analyses using actigraphy. Sleep health, 4(1), 81-86.
※6) :Hnin, K., Mukherjee, S., Antic, N. A., Catcheside, P., Chai-Coetzer, C. L., McEvoy, R. D., & Vakulin, A. (2018). The impact of ethnicity on the prevalence and severity of obstructive sleep apnea. Sleep Medicine Reviews.

2018年3月19日睡眠睡眠,睡眠障害睡眠,睡眠,睡眠障害

Posted by 健康ちゃん