音楽で風邪が治る!? 音楽の驚くべき健康効果
騒音が不健康ならば、心地よい音楽ならどうでしょうか。音楽で健康なんて非現実的だと思う方もいるかもしれませんが、近年この音楽による健康効果が話題になっています。今回は音楽にまつわる健康の話に触れてみたいと思います。
音楽で健康になるの?
健康分野の一つの水準としてQOL(クオリティ・オブ・ライフ)というものがありまして、これはひとりひとりの生活の内容や質を表す指標として一般化しています。簡単に言えば、人間らしい生活を送ることを念頭にした人それぞれの生活評価のことなんですが、最近このQOLにおいて音楽が大きな意味を持っているのではと言われ始めています。それではどんな効果があるか、一つずつ見てみましょう。
1.疲労軽減効果
あまりに有名な音楽の効能として、疲労軽減効果、いわゆるストレスの軽減がわかっています。これら効果は個人の好みや趣味趣向によって結果が異なるのですが、少なくとも一般的なヒーリング音楽(古典音楽やクラシック)を聞く上でのリラックス効果は多く実証されています(※1)。また体表温度の上昇も見られ、免疫プロセスの向上も見込まれるため、風邪などの病気にかかる確率を下げてくれます。自分の趣味や趣向に合わせた音楽を聞くことで、毎日の疲れを癒やせるというのはとても嬉しいことですよね♪
2.認知運動性の向上
音楽は人間の脳、中でも運動に関する認知機能について活性化することがわかっています。特に音楽を用いて何かを行った場合(演奏やダンス等)、さらに効果が高いのだとか。福祉センターや介護施設で音楽を用いた催し物がしばしば行われているのを見ることがあると思いますが、こういった効果が期待できることも理由の一つです。効果は誰にでも期待できることですから、積極的に体を動かしてみるのも良いかもしれませんね♪
3.心拍数・血圧等を下げる
医学的観点からも、音楽が心拍数や血圧、呼吸量の調節をしてくれることがわかっています(※1)。疲労軽減効果の中でも触れましたが、心拍数や血圧の調整を行うことにより、免疫力の向上も見られ、結果的に健康的な機能に繋がることがわかっています。自分にとって落ち着ける音楽を見つけることは、心の安定にも繋がるんですね♪
4.うつ病予防・改善
一般的にはあまり知られていませんが、音楽とうつ病に関する研究は本当に多くされていて、そのほとんどが効果を期待できると結んでいます(※2)。最初にも触れましたが、QOLは精神的分野に直結する部分を言います(個人の思う生活の質ですから)。音楽療法は、今ではうつの改善分野において一般的になりつつあります。扁桃体や海馬など脳内の活性化がわかっていて、大きな効果があることが実証されています。感情や気分を変えてくれる有効な手立てとして、音楽を有意義に使うことが重要だということなんですね♪
また音楽を聞くだけでなく、楽器を演奏したり毎日歌を唄うことが精神的な健康維持に繋がることもわかっています(※3)。少し疲れてしまったそんな時、落ち着いた環境でゆったりと音楽を楽しんでみてはどうでしょうか。
5.認知症や脳卒中の患者さんにも良い影響がある!?
脳機能に関わる病気の方々にも、音楽が良い影響を与えることがわかっています。多くは精神的な部分(気分高揚や不安軽減)なのですが、最近では脳神経系の改善も期待できるのではないかと言われており、研究が進んでいると聞きます。誰にでも効果が期待できるものではないのかもしれませんが、音楽にはまだまだ大きな可能性が残されているかもしれませんね♪
まとめ
リラックスを求めて気持ちの落ち着く音楽を聞いたり演奏するのは健康に良いことがよくわかります。気分が疲れた時、少しゆったりと音楽に没頭してみるのも良いかもしれませんね。
ただし1点注意。
うつ病の項目の冒頭で“ほとんど"と書いたのですが、実は一部の方々には音楽の健康効果が薄いことがわかっています(※4)。それは音楽を仕事や本職にしようとしている従事者の皆さんです。簡単に言えば、癒やしを求める趣味程度の演奏は良くとも、ストレスを感じる状況で見聞きする音楽に健康効果は薄いということ。人によってはマイナスにもなるとされています。何事も適度に楽しむのが重要ということですね♪
よろしければ音楽とは反対の騒音に関してもお読みください。
健康は意識から!
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参考文献
※2) :Raglio, A., Attardo, L., Gontero, G., Rollino, S., Groppo, E., & Granieri, E. (2015). Effects of music and music therapy on mood in neurological patients. World journal of psychiatry, 5(1), 68.
※3) :Ekholm, O., Juel, K., & Bonde, L. O. (2016). Music and public health–An empirical study of the use of music in the daily life of adult Danes and the health implications of musical participation. Arts & Health, 8(2), 154-168.
※4) :Araújo, L. S., Wasley, D., Perkins, R., Atkins, L., Redding, E., Ginsborg, J., & Williamon, A. (2017). Fit to Perform: An Investigation of Higher Education Music Students’ Perceptions, Attitudes, and Behaviors toward Health. Frontiers in psychology, 8, 1558.
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