今にも逃げ出したい。脳に与えるストレスの影響!

2018年2月17日健康コラムストレス, 健康コラム, 睡眠, 健康コラム, 健康コラム, 睡眠,

困った子犬

人間の脳はストレスを受けることで変化します。どのような要因がストレスとなるかは人それぞれ異なりますが、脳の変化は一律で近いものがあります。今回はそんなストレスにまつわる脳の変化について触れてみたいと思います。

脳はストレスに弱い

悩むサラリーマン

健康な生活を送る上で、ストレスは大きな障害となります。ある人は体を壊し、ある人は仕事に支障をきたし、ある人は人間関係を崩してしまう切っ掛けともなります。健康的な生活を望んでも、周囲の環境がそれを許さないこともある。本当に難しい問題です。


人間の脳は、とてもストレスに弱いと言われています。ストレスにも様々な種類がありますが、長期のストレスに晒された脳は、徐々に変化し人間の体に多くの影響を及ぼします。では脳にストレスを与える条件とはどのようなものがあるのでしょうか。

1.継続的な不安の暴露

複雑に絡まった糸のイメージ図

人間の脳だけでなく、生物の体は個々に限界の許容量を持っています。ある一定のレベルを超えた傷や病は、個々の持つ回復力を上回り障害を残します。それは脳も同じで、うつ病や不安障害といった病気のメカニズムは、脳の回路や機能の回復を不安が上回ったことによる回復の喪失が原因となり起こります。

本来ストレスに対して動くグリア細胞やニューロン細胞(いわゆる脳の神経細胞ですね)の働きが悪くなることが多くの研究でわかっていて、これら脳の働きは一度壊れてしまうと薬や療養をしても簡単に戻すことができません。これらは脳の機能が喪失してしまうから起こるんですね。ひいては海馬や前頭前野にまで影響を及ぼし身体的な影響に繋がるというメカニズムです(※1)

これら脳の変化は、老化に近いものであることもわかっていて(※2)老化した体や機能を戻すことがいかに難しいか、誰にでも想像ができるはずです。『脳はストレスで老ける』ものであることを知ることは大切です。老けた脳が最後にどうなるか、それは言わなくともわかりますね?

2.外的な痛み、怪我や病気

外傷を負った足

脳はストレスに応答できる唯一の器官です。言い換えれば、体の痛みや苦しみも、全てが脳に降りかかるとも言えます。精神的な不安や苦しみが脳の変化を及ぼすのと同じように、直接的な痛みや苦しみも同じく脳の変化をもたらします。長い痛みや苦しみは、扁桃体(感情を制御する部分ですね)の細かな構造の変化を引き起こして、不安を受けた場合と同じように神経やシナプス形成に影響を与えるとされています(※3)心が痛いのも、体が痛いのも、最後は脳が面倒をみるんです。脳は筋肉とは違います。苦しみを与え続けても、強くなりはしないのです。

3.長期の睡眠不足

眠る猫

睡眠不足が脳の機能に影響を及ぼすことは多くの研究で明らかになっています。これは不安や痛みの暴露とは少々毛色が異なりますが、脳が睡眠中に様々な処理をこなしている事実からみても、当然といえば当然です。睡眠不足は痛みや不安と同じように、扁桃体の反応性の増加や交感神経活動に変化をもたらすことがわかっていて、言い換えれば大きな不安を感じているのと同じこと(※4)。ですからストレスなんかないと胸を張っていても、睡眠不足というだけで脳はダメージを受けているんです。不安や体の悩みはないけど、慢性的な睡眠不足というあなた。脳は少しずつ変化しています。そしてあなたの持つ許容量を超えた時、それがどうなるか。説明する必要もないでしょう。

4.腸内環境の変化

お腹を擦る女性

近年言われることが多くなったプロバイオティクス。いわゆる善玉菌を多く含んだ状態や食品をさすものですが、これらを勧める記事や食品が増えた理由の一つに、脳との繋がりがあると言えます。
いわゆる腸内環境がストレスに関わる神経認知に繋がっていることが明らかになったのですが(※4)、最も重要なのは、ここで言う神経というが、脳にまつわる記憶領域(前述の1や2で扱った神経細胞)だということ。腸内環境の良化がストレス耐性を上げることがわかったんですね。素晴らしい。

ですから腸内環境の悪化は、必然的に脳の変化をもたらすということ。暴飲暴食や油っぽい食事を続けることが、脳にも悪影響を与えるということです。正しい食生活が健康な脳を作る。わかりやすいですね♪

5.幼児期・思春期のストレス

おしっこを我慢する子犬

こちらは小さなお子さんをもつ、お父さんお母さんが知るべきことです。思春期の子供の脳は、大人の比でなく変化しやすいことがわかっています。抵抗力の大小を考えれば、これも当然ですよね。

ただ問題なのは、思春期に受けたストレスは、その後の脳の脆弱性を大幅に増やすことがわかっています。大人が与える環境の一つ一つが、将来の子供のストレス耐性、さらに言えば脳の構造を決めてしまうということです(※5)。これは子供本人の力ではどうしようもないことです。育児や生活が大変なのは重々承知です。しかしそのストレスのはけ口を子供に向けないでください。勉強やスポーツを頑張れと過度なプレッシャーを与え続けることも、子供には大きな負担になります。バランスの良い関係性が重要です。親子関係の良さは子供のストレス減少と直結しています(※6)。それらを判断できるのは、親御さんしかいないのですから。

また、煙草や周囲の環境も、脳だけでなく肥満や心臓病など影響を及ぼします。お子さんを注意深く見守ることが大切ですね♪

まとめ

脳はストレスや環境の変化に弱く、簡単に機能を壊してしまいます。最近ではストレスの根源から逃げろと頻繁に言われるようになりましたが、それは一度壊れた脳が簡単に元に戻らないからです。脳は正直です、良くも悪くも、あなたの環境に則した状態に落ち着きます。それは正しい知識がなければ、健康な脳を作ることもできないということです。

ストレスがたまったあなた。
たまには森林浴などどうでしょうか。きっとリラックスできると思いますよ♪

飲み物なら烏龍茶もオススメです♪

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参考文献


※1) :McEwen, B. S., Gray, J. D., & Nasca, C. (2015). Recognizing resilience: Learning from the effects of stress on the brain. Neurobiology of stress, 1, 1-11.
※2) :Prenderville, J. A., Kennedy, P. J., Dinan, T. G., & Cryan, J. F. (2015). Adding fuel to the fire: the impact of stress on the ageing brain. Trends in neurosciences, 38(1), 13-25.
※3) :Kim, P., Evans, G. W., Chen, E., Miller, G., & Seeman, T. (2018). How socioeconomic disadvantages get under the skin and into the brain to influence health development across the lifespan. In Handbook of Life Course Health Development (pp. 463-497). Springer, Cham.
※4) :McEwen, B. S., Gray, J. D., & Nasca, C. (2015). Recognizing resilience: Learning from the effects of stress on the brain. Neurobiology of stress, 1, 1-11.
※5) :Tottenham, N., & Galván, A. (2016). Stress and the adolescent brain: amygdala-prefrontal cortex circuitry and ventral striatum as developmental targets. Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 70, 217-227.
※6) :Swain, J. E., Ho, S. S., Rosenblum, K. L., Morelen, D., Dayton, C. J., & Muzik, M. (2017). Parent–child intervention decreases stress and increases maternal brain activity and connectivity during own baby-cry: An exploratory study. Development and Psychopathology, 29(2), 535-553.