無意識にしている口呼吸。睡眠や運動に影響があるのを知っていますか?

2018年1月29日睡眠, 運動口呼吸, 睡眠, 運動睡眠, 運動, 運動

鼻炎の女性

「花粉症で鼻がムズムズ」
「慢性鼻炎でいつも鼻が詰まってる」
「アレルギー体質で鼻通りがいつもイマイチ」

そんな方も多いことでしょう。ここで質問です。
慢性的な口呼吸が、健康においてどれほどマイナスか知っていますか?

いつも詰まっているからと、放置している方も多いことでしょう。しかし『アスリート』『睡眠の質が悪いと感じている皆さん』は、健康のため すぐにでも対策が必要と言わざるを得ません。ということで今回は、皆さんが無意識にしている口呼吸にまつわる健康について、いくつか紹介したいと思います。

そもそもの口呼吸について

鼻をかむ女の子

口呼吸という言葉について考えたことがない人がほとんどだと思いますが、実はこの口呼吸、人間だけ(今のところですが…)に許された特権なんです。というのも、人間以外の動物には『口呼吸』という概念がない上に、体の設計上、鼻呼吸しかできないんです。どうやらこれは猿などの人間に近い生物でも同様だそうで、人間だけが口で呼吸できる理由は言語力の有無によるのだとか(諸説あります)。何が言いたいかといえば、「口呼吸は人間にしかできない」という点ではなく、本来であれば人間も『鼻呼吸が正しい』ということ。あくまで口で呼吸できるのは人間特有のオプションであり、人間も鼻で呼吸するべきだということです。
世の中で常に言えることですが、オプションはあくまでオプションであり、主要機能ではありません。便利だからとそれだけを使っていれば、何かしらの問題が生じるのが世の常。当然ですが、それは口呼吸も同様です。現在、日本人の約7割ほどが口呼吸をしているとされていますが、ならば口呼吸だけを続けているとどうなるのか。運動や睡眠の観点を交え、注目点を紹介します。項目は5つ

1.口呼吸は身体能力を低下させる
2.口呼吸は学業成績が下る
3.口呼吸は噛む力が衰える
4.口呼吸は歯並び顔輪郭の形状が悪くなる
5.口呼吸は体の抵抗力が落ちる

口呼吸は身体能力を低下させる

ランニングする男性達

鼻の通りが悪いのに放置しているアスリートの皆さん。残念ながら、口呼吸はアスリートにとって良いことなど一つもありません。すぐにでも対策を取る必要があると言えるでしょう。加えて言えば、鼻通りの悪いお子さんのいる親御さん。将来スポーツ選手になってもらいたいと願うなら、すぐにでも根本的解決を目指すべきです。なぜなら若ければ若いほど、口呼吸が与える運動能力への影響は大きいからです。
身体能力に関する口呼吸の影響は様々言われているのですが、例えばこんなものが。ブラジルはサンタマリア大学が行った呼吸器系調査によると、日頃から口呼吸をしている人は、一般的な呼吸筋力が落ちるとのこと。しかもそれは小児期間に口呼吸をしていた者ほど顕著で、成人してからの運動能力に影響を及ぶそう(※1)。口呼吸を続けているだけで、心肺機能に差が出てしまうということは、人より多少の努力をしても不要な差が出てしまうことを意味します。必死に頑張ってもあの子に勝てない理由は、実は鼻が悪いからかもしれませんよ。

また口呼吸は人間の姿勢を変化させることもわかっています(※2)。こちらも子供に大きく影響が出ることがわかっていて、将来の頸部姿勢異常が心配されます。単純に呼吸がしづらいだけでなく、身体的な影響も出てしまうということなんですね。当然、心肺機能も落ちてしまいます。

また口呼吸は睡眠の質に大きな影響を与えます。口呼吸による睡眠障害は大きな問題となっていて、トレーニングの質の低下、いびき等による呼吸器トラブル、睡眠の質低下による回復力の低下など、挙げればきりがないです。また口呼吸の人は一般の方に比べいびきや無呼吸、睡眠不足が三割ほど高いとされています(※3)。決して他人事と思わないことが重要ですよ♪

口呼吸は学業成績が下る

疑問を感じる子猫

昔のアニメなどを見ているとしばしば目にする場面。「この子はまた鼻たらして。まったく情けないったらないよ!」なんてセリフ。とぼけた顔をした子供が言われがちですが、どうやら笑ってもいられないようです。
残念ながら『鼻が悪い = 成績が落ちる』は、どうやら事実のようです。こちらはブラジルサンパウロ大学の子供を対象とした実験結果ですが、口呼吸である子供はそうでない子に比べ、読解力、算術、記憶力について全てで劣っていたのだとか…(※4)。しかも音楽的な耳も悪く、音痴になりがちなんてことも。当然、これは子供だけに限ったことではなく、口呼吸が海馬や脳幹における酸素濃度を落とすことがわかっており、認知機能や記憶力といった分野に影響を及ぼすのは明らかです(※5)。必死に勉強している中学生や高校生。たかが花粉症による鼻づまりなんてと思っていると、ライバルに差をつけられる原因になってしまうかもしれませんよ。

口呼吸は噛む力が衰える

困った子犬

九州歯科大学の行った口呼吸が咀嚼(そしゃく:噛む力ですね)効率の調査によると、口呼吸というだけで咀嚼効率が落ち、正しく噛むのに長い時間がかかるといいます(※6)。これは要するに、「人と同じ時間で食事を終わらせようと思ったら、ちゃんと噛まずに飲み込む」ということです。日本は他国ほど昼食や昼食にかける時間が長くありません。ということは、短い時間で食事を終わらせるのが必須とも言えるわけです。正しく噛めていないうえ、それを続ける以上、自然と咀嚼力は落ち、鼻呼吸の人とは差が生まれます。残念ながら結果的に鼻呼吸の人より噛む力は落ちてしまいます。しっかり物を噛めないということは、内臓やその他器官にも影響を及ぼします。また、スポーツ選手にとって噛む力は重要です。瞬発力や一瞬の力を生み出すための咬合力はスポーツと切っても切れない関係であり、非常に重要なファクターです。選手がガムを噛むのもこんな理由があるんですね♪ 残念ながら、咀嚼力が落ちて良いことは一つもありません。

口呼吸は歯並びや唇、顔輪郭の形状が悪くなる

マスクの女性

口呼吸は、口だけでなく、その周辺にまで影響を及ぼします。噛み合わせ不良、顔の形成、唇の位置、唇の乾燥や張力、舌の位置、歯の位置などなど、それら全てをマイナスへと誘います(※7)こちらも子供ほど影響を受けやすく、いびきや扁桃腺の異常にまで影響が出てしまいます。歯並びが悪いのは口呼吸が一役買っているのが事実ということなんですね。「あごの形が悪くなったのも、実は鼻が悪いから」なんて知ったら誰かを恨みたくもなりますが、残念ながら気づいた時にはもう遅いです。できる限り早い時期に考えるべきことなんですね。だからこそ親御さんの存在がとっても重要なんです。

余談ですが、上にも書きましたが唇の乾燥も最も多い理由が口呼吸です。乾燥してどうしようもないと嘆く前に、意識して鼻呼吸に変えてみましょう。激的に変わると思いますよ♪

口呼吸は体の抵抗力が落ちる

風邪を引いたワンちゃん

こちらはよく知られた話ですが、口呼吸は鼻呼吸に比べ酸素効率が低いことがわかっています。鼻呼吸を通常値とした場合、口呼吸は低酸素症の一種に分類され、実は体の抵抗力が下がることがわかっています。最近聞くことが多くなったナチュラルキラー細胞の数は鼻呼吸と比べ格段に少なく、しかも気道感染症のリスクが跳ね上がるというオマケ付き(※8)。また子供では喘息の有病率も最大30%も上がってしまうのだとか(※9)。メキシコと日本は少々環境が違うとは思いますが、影響がないことはありえません。

まとめ

口呼吸が健康に及ぼす影響について見ていただきましたが、いかがでしたでしょうか。口呼吸を続けていても、何一つ健康に良い影響はありません。また、お子さんやアスリートならば、すぐにでも対処することをオススメします。

最後に、ここまで読んでいただいた方にダメ押しのお言葉を(特に女性へ)。

口呼吸は太ります。

変えてみる気になりましたか?
この機会にご自分の呼吸について考えてみるのも良いと思いますよ♪

健康は意識から!
あなたも今日から健康、はじめてみませんか?

参考文献


※1) :Milanesi, J. D. M., Weber, P., Berwig, L. C., Ritzel, R. A., Silva, A. M. T. D., & Corrêa, E. C. R. (2014). Childhood mouth-breathing consequences at adult age: ventilatory function and quality of life. Fisioterapia em Movimento, 27(2), 211-218.
※2) :Okuro, R. T., Morcillo, A. M., Sakano, E., Schivinski, C. I. S., Ribeiro, M. Â. G. O., & Ribeiro, J. D. (2011). Exercise capacity, respiratory mechanics and posture in mouth breathers. Brazilian journal of otorhinolaryngology, 77(5), 656-662.
※3) :Rabasco, J., Vigo, A., Vitelli, O., Noce, S., Pietropaoli, N., Evangelisti, M., & Pia Villa, M. (2016). Apparent life‐threatening events could be a wake‐up call for sleep disordered breathing. Pediatric pulmonology, 51(12), 1403-1408.
※4) :Kuroishi, R. C. S., Garcia, R. B., Valera, F. C. P., Anselmo-Lima, W. T., & Fukuda, M. T. H. (2015). Deficits in working memory, reading comprehension and arithmetic skills in children with mouth breathing syndrome: analytical cross-sectional study. Sao Paulo Medical Journal, 133(2), 78-83.
※5) :Park, C. A., & Kang, C. K. (2017). Sensing the effects of mouth breathing by using 3-tesla MRI. Journal of the Korean Physical Society, 70(12), 1070-1076.
※6) :Nagaiwa, M., Gunjigake, K., & Yamaguchi, K. (2015). The effect of mouth breathing on chewing efficiency. The Angle Orthodontist, 86(2), 227-234.
※7) :Costa, M. D., Valentim, A. F., Becker, H. M. G., & Motta, A. R. (2015). Findings of multiprofessional evaluation of mouth breathing children. Revista CEFAC, 17(3), 864-878.
※8) :Murakami, Y., Yamaguchi, M., Sato, T., Kobayashi, R., Negishi, S., & Kasai, K. (2016). Exposure to Mild Hypoxia Associated with Oral Breathing Affects The NK Cell Ratio in The Spleen. International Journal of Oral-Medical Sciences, 14(4), 67-73.
※9) :Ramos-Ríos, J. A., Ramírez-Hernández, E., Vázquez-Rodríguez, E. M., & Vázquez-Nava, F. (2017). Asthma-associated oral and dental health repercussions in children aged 6 to 12 years. Revista alergia Mexico (Tecamachalco, Puebla, Mexico: 1993), 64(3), 270-276.

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Posted by 健康ちゃん